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R.P.G
殺された男は、家族に内緒でネット上に擬似家族を作り、父親役を演じていた――。 擬似家族を作る、というテーマでは「家族計画」という至高のゲームがあるのですが、本作品は「本当の家族がいるのに、ネット上にもう一つの家庭を作ってしまった」という点に違いがあります。したがって架空の家族ごっこに興じている人間の視点と、それを外から見ている人間の視点、両者の温度差がくっきりと浮かび上がってきます。そして、最後まで読んだとき、タイトルの本当の意味を知ることになるでしょう。 この本、Amazonのレビューを見ると、賛否両論なんですよね……。どなたかのコメントにあった「舞台にしたら映える」という意見は、まったくその通りだと思いました。 |
以前読んだ「奇妙な論理」に関連して読んでみました。 タイトルに「解読法とついていますが、実際はインチキ科学を列挙するのみに留まっています。原作の「アダムとイブにへそはあるか?」のほうがタイトルとして相応しいような。 「奇妙な論理」では、正常な精神の持ち主ならば一笑に付すようなトンデモ理論ばかりだったのですが、本作品はかなり際どい(=信じそうな)理論が多いです。「人食い人種を直接見た人は誰もいない」という記事には、私自身はっとさせられました。個人的にはあとがきの「人間はすべてを知ることができるのか?」という内容が好きです! |
これ、すごいわ…。 死に異常な興味を示す主人公と、友人(?)の森野が織り成す短編集。「人を殺すこと」を軸として話が進んでいくのですが、殺人という行為の暴力性や凶暴性がテーマではなく、その裏にあるもっとドロドロした、例えようもなく暗い感情がメインとなっています。 陰惨な内容にもかかわらず、それらがとても軽やかに、日常的に書かれており、かえって恐ろしさを感じさせます。隣に住んでいる人や、学校の隣の席に座っている奴が人殺しをしているような、そんな不気味な雰囲気が全編を通じて漂っているのです。 いや、この本、本当に凄いんですが、死についての免疫に乏しい方は読まないほうがいいんじゃないか、などと要らぬ心配もしてしまいます。18歳未満の人が読むと、悪いほうに影響されちゃいそうな……。 |
「GOTH」に続いての乙一氏の作品。みなさんが乙一氏の本を薦める理由がわかりましたよ。すげぇ。 GOTHは短編集ながら主人公と森野という二人が軸として進んでいきますが、本作は完全に独立した短編集となっております。コメディタッチの「血液を探せ!」「落ちる飛行機の中で」があり、それはそれで面白いのですが、 ダークな話はとことんダーク。 GOTHにも残酷な描写はあったのですが、GOTHが乾燥した夜の砂漠のような哀しさとすると、ZOOは熱帯系ですな!首筋にまとわりつく湿気のような嫌悪感。特筆すべきは「SEVEN ROOMS」ですよ。 これほどまで先が気になって読むのを止められなかった短編は初めてです。 そして、これほどまで釈然としない短編もまた初めてです。
いやー凄かったわー_| ̄|○ |
最近、トンデモ理論とそれに付随するトンデモ宗教がマイブームなのですが、それに超能力、宇宙、シミュレーション、進化論、インターネット、人種問題など を絶妙にリンクさせている小説です。 幼い頃に父母を失った事で、神について疑念を持つ和久優歌。カルト教団に潜入したりしているうちに、どうしても事実としか思えない超常現象があったことを知る。そして、その現象が自分の身にも起こり始める。そのころ、和久優歌の兄は、シミュレーションソフトの開発を通じ、世界の真理を知ることになる……。
宇宙人や神についての豊富な事例が挙げられており、それによってかなり分厚い本になっています。シミュレーションについての考察はかなり深く、類似の小説の中では群を抜いていました!そして終盤の急展開に至るとっかかりのイベントが凄い!こんなことが起こったら、そら世界も変わりますわな! |
離れ小島で起こった密室殺人から2週間、ふつーの大学生として生活を送るいーちゃん。ふつーの(?)友達もでき、こういう生活もいいのかな、と思い始めた頃に、友人の一人が殺される―― 「クビキリサイクル」に比べ、いーちゃんの戯言がすんなり読めました!(あんまり戯言戯言いわれると、ちょっと引いちゃうけど) このシリーズのキャラクターって異能でいて魅力的な人ばっかり!人類最強の請負人・哀川潤の突き抜けっぷりなんて、むしろ気持ちいいぐらいでしたよ!もうちょっと玖渚友が出てくれればなぁ……。 |
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