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ネバーランド
年末、実家に帰らず寮に残る4人の男子高校生の物語。ミステリーでもなければ大きな感動も推理もなく、淡々と「青春」を見せ付けられます。 なんかね、4人が他人に言いたくない秘密を共有していくんですけど、それによって本を読んでいる私も、この4人と友人になった気がしてくるんですよね。あー、こういうマセた奴いたなぁ、などと思い出してしまいます。 ただね、実際の男子高校生はこんな綺麗なものじゃないですよ!男子寮つったら確実にエロアイテムまみれですよ!そういった意味で、「ネバーランド」ってのはなかなかいいタイトルだなぁ、と。 |
かつて宇宙に憧れていた少年たちが、民間人でありながら火星への有人飛行を本気で目指します。例えそれが法律に反していたとしても……。 かなり深いロケット技術が使われているのですが、それが素人にも分かるように書かれているのがいいですね。ロシアの技術者の「金をかければいいってもんじゃないんだ」という態度が妙に頼もしかったり。 学生のころの青臭い夢を、大人になって実現しようとする気持ちってのが、痛いほどわかるんですよね。ロケットの形が次第に出来上がっていくにつれ、「頑張れ、頑張れ」って彼らを応援してしまいました。 |
2012年、セント・マリア島で人魚が発見されたことから始まる壮大なファンタジー。 人間は一度海に戻ってから再び陸へと上がり進化した説、人魚がアンコウと同じ生殖行動を取るところなどが、上手に絡んでストーリーを形成しています。文庫本としてはかなり厚い本なのですが、気がついたら読破していました。最後はちょっとモヤっとしましたけどね! |
視力を失くしたミチルの家に、警察から追われているアキヒロが身を隠す。ミチルに気付かれないよう息を潜めるアキヒロ、誰かがいることに気付いているものの、それを悟られないようにするミチル。奇妙な同棲生活が始まる……。 全編を通じてミチルとアキヒロの緊張感が満ちており、読んでるこっちがハラハラしてしまうわけですよ。最後にはミステリー的なシメも用意されており、いい意味で読みやすい本です。 しかし乙一氏ってのは、「感覚がなくなる世界」と「社会から疎外された人間」を書くのが上手いですねー。面白い本でした! |
SFですな!これはまさしくSFですよ! 彼女に裏切られ、会社を乗っ取られ、失意に沈む主人公が猫ともに冷凍睡眠に入り……というお話。現在と未来の行き来がメインなのですが、その仕組みや伏線の張り方がうまーく出来てるんですよ! この本の初版が1957年でして、その当時の人たちが想像した2000年の様子が書かれており、これも興味深いんですが、過去の人に「ごめんね、未来の僕らはここまで頑張ってないんだ」って謝りたくもなったり。ともかくいい本でした! |
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