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獣の奏者1 闘蛇編
獣の奏者2 王獣編
 面白い(≧▽≦)!

 獣ノ医術師の母と暮らす少女、エリン。ある日、戦闘用の獣である闘蛇が何頭も一度に死に、その責任を問われた母は処刑されてしまう。

 孤児となったエリンは蜂飼いのジョウンに助けられて暮らすうちに、山中で天を翔ける王獣と出合う。その姿に魅了され、王獣の医術師になろうと決心するエリンだったが、そのことが、やがて、王国の運命を左右する立場にエリンを立たせることに……。

 というわけで、長編ファンタジーの本作。圧倒的な軍事力を持つ闘蛇と、その弱点たる王獣。人と心を通わせることなどなかった王獣と少女の交流が、やがて政治的な意味を孕んでいくあたりがたまりません!

 この作品、大自然の描写が多いのですが、そこから草木や獣の臭いがしてくるような、そんな美しい作品なんですよ。そこに人間と自然、人間と王獣の距離が描かれていて、うわー!いい作品でしたー!特に2巻目は、あっという間に読み進めてしまいましたよ!(≧▽≦)

 

獣の奏者3 探求編
獣の奏者4 完結編
 

 すげー!上橋菜穂子すげー!

 「1巻-2巻で完結した物語だが、たとえ物語が崩れたとしても続きが読みたかった」

 と巻末の紹介文にあるとおり、2巻で綺麗に終わっている話なんですよ!これ以上書けないだろ、的な。

 それを、さらに世界を広げて、壮大に、続編書いてきたああああすげえええええ!エリンの母としての視点、家族を想いながらも未知の破滅を引き受けようとする覚悟、そういったものが世界の流れとともに書かれていて、いやーすごかった!

 1巻-2巻に残された謎を丁寧に解きほぐしていく、見事な良作でした!1巻から読んでほしいですなー、この本!(≧▽≦)

鬼の跫音
 

 ホラー感、サスペンス感あふれる6話が集められた短編集です。「跫音」は「あしあと」と読みます。生々しいホラーは苦手なのですが、グロくないギリギリのラインで書かれているんですね。

 この感じ、どこかで読んだことがあるなーと思ったら「向日葵の咲かない夏」の作者だったのですね!あの救われないモヤッとした雰囲気を受け継ぐ作品ばかりです!「冬の鬼」などは、日記を逆から読んでいくという趣旨で、面白く読めましたー!

陽だまりの彼女
 

 学生時代、苦楽を共にした幼なじみ。社会人になってから再会した彼女は、かつての「学年有数のバカ」から、美人のキャリアウーマンとなっていた――。

 序盤のラブラブっぷりから、中盤〜終盤の不穏な空気、そして謎を爆発させることなくさらっと流して終了。でもけっして悪い感じではなく、いい余韻がある、優しいお話でした!そしてこれを読むと、結婚したくなるよね……うん……orz

ビルマ・アヘン王国潜入記
 とある記事でこの本が紹介されていて、Amazonで観たらその高評価に心奪われ、読んでみたら本当に面白かった!

 筆者はジャーナリストとしてアヘンを取材するのですが、その取材方針がすごい。

 実際にアヘン農家にいき、ケシの種まきから収穫まで、ついでにアヘン中毒まですべて体験するんです。旅行すらままならない僻地へ、いかにして滞在先を見つけ、どのような生活を過ごすのか。その数ヶ月が、リアリティをもって書かれています。

読み薦めるうちに、「善悪の彼岸」という言い方が的を射ていると気付かされます。お勧めです!
歪笑小説
 面白い!(≧▽≦)

 新人編集者、小説家など、小説に携わる人達のドタバタを、小気味よく笑いに代えている一冊です。ただお笑いで終わらせることなく、実際の小説家にしかわからない視点や内情も含まれていて、これもまた面白い!

 一番響いたのは、思い込みが激しい中二病全開の作家・熱海の浮かれっぷりですかね!ドラマ化に浮かれ、美人編集者との恋におぼれ、と「なんという俺」感がたまらないです!

 全体的に、浮世離れした小説家と、現実的なその周囲の人達、という展開なのですが、おそらく現実でもこんな感じなのかなーと!面白かったです!
あの頃ぼくらはアホでした
 大概の男性にとって、思春期の思い出というのは恥ずかしく、情けなく、自意識過剰なものです。それは東野圭吾といった大作家であっても同じようで。東野圭吾の青春記。

 底辺校に入学し、こともあろうに学級委員になってしまった話。ウルトラマンに熱狂し、更衣室の覗きに挑戦し、テキ屋のオヤジに騙され、クソ不味い給食を食べさせる。精神と肉体のバランスが取れていない時期の男性だったら、どこか共感できる話ばかりです!

 青春系のコラムですと、原田宗典「17歳だった!」もオススメです!
第三の時効
 もうこれ、完全に面白いやつです。すさまじく面白かった…!今年度に読んだなかで、いまのところ一番かも…!!

 F県警強行犯係、つまり凶悪事件を扱う担当班が一班から三班まであるのですが、どの班長も個性派揃い。時として部下にすら恐れられ、煙たがられる彼らが、己の矜持をもって犯罪に挑んでいきます。

 3人の班長が、これまた一切協力する気なんてないんですよ。自らの班の手柄に固執し、ぶつかり合う。いくつかの班が交差する話があり、三班長の上に立つ管理者の話もあり、と人物描写も面白い。それにミステリーとしても面白いんだから、ほんと素晴らしい!

 かなりの勢いでオススメさせていただきます!これはもう一回読んじゃう……!