小説・その他(6)へ | 小説・その他(8)へ |
異端の数ゼロ―数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念
小学校のころ、初めて割り算を習ったとき「0で割る」ことに思いを巡らせたことはありませんか?現在、あらゆるプログラム言語において「0で割る」ことはエラーとなっていまいます。 そんな魔性の数字「0」はその性質からギリシャでは禁じられ、キリスト教からは異端視され、パスカル・デカルト・ニュートンを悩ませてきました。そんな「0」の歴史について深く掘り下げた本です。 古代、0という概念がなかなか認められなかった――0個のリンゴを数える者はいなかった――こと、西暦0年が存在しない理由、0と無限大は表裏一体であること、そして0がブラックホールの存在を予言した、など、数学に留まらず物理、哲学、神学、天文学にまで影響を及ぼす「0」の性質について、すこぶる興味深く読めました。難しい数式もほとんど使われていません。 この世界の裏側を覗き見た気持ちになれます。 |
後世に多大なる影響を及ぼした天才、と聞くと、頭脳明晰で完璧な超人を想像しますが、実際は権利欲や女性関係、さらに天才ならではの孤独に悩んでいる姿が 本書では描かれています。 本書で紹介されている数学者は3人で、ニュートン・ハミルトンは聞いたことがあったのですが、最後の「ラマヌジャン」 という知名度はイマイチな方に一番ページを割かれており、かつラマヌジャンの人生の波乱万丈っぷりが際立っています。 天才って大変なんですね……。 |
「もうりょうのはこ」と読みます。すごく面白かった! 最近「姑獲鳥の夏」が映画化された京極夏彦の作品であり、最高傑作との声も高いようです。 箱を崇める霊能者、箱の中の少女にまつわる小説、箱型の研究所……。平行して進むいくつかの箱の物語が、ラストでしっかりと繋がっていきます。魍魎についてのウンチクも、箱少女の小説の気味悪さも、全てが繋がるオチも、何もかも面白い! いつもながらに登場人物が多いので、しっかり覚えながら読んでみてください!オススメです! |
世間にすさまじい反響を巻き起こした同人ゲーム「月姫」のシナリオライターが書いた小説です。月姫の世界観を引き継いだものとなっております。 まず分量がすごい!二段組の分厚い本が上・下巻ですから、読み切るには多少の気合が必要でしょう。月姫では直死の魔眼を軸としていましたが、小説では式の二面性が中心でありそれってシキのことだよねムヒョー!とゲームをやった方はモキュモキュしてしまうことでしょう。逆に言うと、月姫という下地を知らないと導入部分でつまづく恐れもあります。 作中の人物の台詞が世界観の説明に割かれることも多く、確かにアクの強い印象を受けました。好き嫌いが分かれそうな小説です。 |
オススメです!第3回ボイルドエッグ新人賞受賞作。 実は筆者の将吉さんとは何度かお会いしたことがありまして、その当時から面白い人だなーと思っていたのですが、まさか小説書いて受賞までしちゃうとは思いませんでした。おめでとうございます! 本作は「コスチューム」のタイトルどおり、コスプレをやってる女の子が主人公なのですが、コスプレだけでなくコミケ・ネットアイドル・テキストサイト・サイトイベントなどディープな題材を扱っており、かつそれらの内情を微細に描写されています。このあたりは実際に身を置いた人間じゃないと出せない味でしょう。「三流ホームページ」「兄貴の城」て。 文体も「面白いサイト管理人が小説を書くとこうなる」といった感じで、とにかくギャグが軽快で面白い!かといって軽いだけではなく締めるところは締めてくるシナリオで、とても面白かったです。インターネットの文章が好きな方なら、ものすごく楽しく読めることでしょう! |
小説・その他(6)へ | 小説・その他(8)へ |
メニュー |
submenu |
|
PR |
|