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ターミナル・エクスペリメント
1995年のネビュラ賞(アメリカのSF小説文学賞)に輝いた作品。筆者は、SF小説の世界で有名な人みたいです。
主人公ボブスンは、脳波の測定中に「魂」らしき存在を確認する。その正体を探るため、自らの脳波をコピーし、コンピュータ上に自らの複製を3体する。ところが、その3体のうち誰かが、殺人を犯し始める……。 「魂」というテーマが、向こうの人々が好みそうなテーマだなぁ、と。さすがはネビュラ賞受賞作でして、面白さは相当なものです! 前半の魂の話と、後半の殺人の話が微妙に分離してまして、なおかつ犯人の動機もちょっと掴みきれませんでした。ただ、犯人を追い込む方法などはさすがでして、魂よりそっちのほうにページを割いて欲しかったなぁ、と! |
ひさしぶりの森博嗣作品です。
短編集でして、おなじみの犀川&萌絵が主人公のときもあれば、小鳥遊練無が出てくるときもあり、と、キャラもお話も多岐に渡っています。 やはり森博嗣は上手いんだなーと再確認できましたよ。特に「素敵な日記」は、久しぶりに「してやられた感」を味あわせてもらいました。その発想はないわ……。 |
Vシリーズ第2弾。主要人物のキャラ付けが第1弾でされていることもあり、すんなり物語へ入っていけます。
トリック自体は比較的わかりやすいのですが、それよりも林と紅子、七夏の三角関係が妙に読ませる!紅子と保呂草のちょっと壊れた間柄といい、本作は人間関係が味わい深いですなー。 |
これは熱い!凄い!そら映画化も納得の傑作ですよ。
1985年、御巣鷹山で日航ジャンボ機墜落事故が発生。未曾有の航空機事故に対し、地元紙「北関東新聞社」は悠木を全権デスクに任命。組織の派閥抗争、親子の諍い、同僚との対立を経て、報道とはなにか、新聞とは何かを問いかける――。 登山の話っぽいタイトルでして、事実、登山の話もあるのですが、大部分は新聞社の話で占められています。で、この話が熱い。新聞社の内部って、こんなに熱いんですか。 最近、有力新聞社のアレなニュースが頻発していますが、悠木のような覚悟をもった記者が本当にいるのであれば、まだまだ捨てたもんじゃないな、と。すばらしい作品でした!(≧▽≦) |
書き下ろし2編を含む、全8編から成る森博嗣の短編集です。S&Mシリーズの登場人物がVシリーズと絡んだりしてますが、基本的にすべて独立したお話となっていました。
どのお話にも「読者に謎を振っておいて放置」といった部分が結構あります。 「……オチは?」 と二度見してしまった事も、何回かありました。しかしながら、それすら森博嗣の計算づくであると考えると、なんかしてやられた感が、ね! タイトルの「パラシュート博物館」なるものは、本作中に一切出てきません。これって、「オチない」とか「オチが並んでいる」という意味なんでしょうかね……? |
「SF版プロジェクトX」とは良く言ったものです。2025年、サハラ砂漠や南極などの極地工事に定評のある御鳥羽総合建設が受注した工事地は、月面だった――。
この作品の立ち位置が、あとがきに記されています。 「過去のアポロ計画と、月面を何百平方キロと掘り返してヘリウム採取する将来との間の、中間段階がない。だから私が中間を作りました」 上記の通り、現代+αぐらいの技術で、月面に基地を建造するにはどうすればいいか。資金や工期、人員などの問題にぶち当たりながら、少しずつ目標へと進んでいく様が面白くて面白くて! 日本や世界の情勢が、極めて理想的に定義づけられていることに若干の違和感を感じますが、面白いSF小説だと思います。2巻も読みます!(≧▽≦) |
昔読んだ「五分後の世界」の印象が強すぎて、本作を見たときに、さあSFか?サスペンスか?と身構えたのですが、実際は恋愛小説?ともかく現代のお話です。恋人を事故で失った男が主人公。
この手のストーリーって、ちょっと斜に構えて読んでしまうんですが、この作品はさらっと読めました。気が付いたら物語に入り込んでしまう。いままで読んだなかで、導入への抵抗がもっとも少なかった作品かもしれません。文章が上手いからなのかな〜。 登場人物がみんな、「ちょっとだけ」捩れているところもいい雰囲気だしていますね。まだ「side-A」の意味がわかってないのですが、「side-B」を読めば判明するのでしょう!もちろん読みます! |
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