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ダブル・ジョーカー
 面白いっ!!面白いぞおおおお!!

 前作「ジョーカー・ゲーム」の続編。旧日本軍の諜報組織「D機関」に属するスパイの活躍を描いた短編集です。

D機関のライバルである風機関との凌ぎ合い、D機関の創始者である結城少佐の過去の話など、まーどれもこれも面白い!そして最後の最後の終わり方……。もう続編はないのでしょうか。うわー切ない!

 そんな感じで、前作「ジョーカー・ゲーム」と合わせて読んでみてください!面白いです!

生贄のジレンマ(中)

 

 

 

 

 なんだろうこの感じ。すごい。例えようがないぐらいすごい小説。下巻を読まなきゃ死ねないっていうぐらいに。おおおおお……。

死者のための音楽
 んー良かった!綺麗で面白かった!

 Amazonで初めて知りましたが、この作者、新人なんですね!とてもそうとは思えない筆力!

 短編集なのですが、どれも「死」と「親子」をテーマとしていて、しっとりと読ませる作品ばかりです。怪談雑誌に連載されていた作品だそうですが、怖さよりも不思議さ、そしてはかなさが滲み出てくるお話ばかりで。面白かったです!

3652
 伊坂幸太郎の、デビュー当時(2000年)から現在(2010年)に至るまでのコラムをまとめた一冊。伊坂の創作の素や生活が垣間見えます!

 面白いのが、当初のコラムが若干気負った感じを受けるのに対し、年が進むにしたがってこなれて読みやすくなっていること!よく漫画では、連載開始から絵柄が変わるなんて記事がありますが、小説家でもそういうことがあるんだなーって!最後の「3652」というタイトルの意味も納得でした!

ハッピー・リタイアメント
 浅田次郎が描く、自身の借金にまつわる出来事から着想を描いた作品。冴えない二人の公務員が、ひたすら楽に給料を貰える債権回収会社に天下る、というお話。

 この小説の面白いところは、最初の章に、浅田次郎の体験談が記載されているところです。そしてその部分がやたらめったら面白い!さすがだなーと!

 社会人からすれば羨ましい限りのお話で、最後のオチも個人的には好きです。連載をまとめたせいか、各章に若干、つながりの悪さを感じてしまいましたが、それでも面白かったです!

今夜、すべてのバーで
 面白かった!そして怖くなりました!

 主人公の小島は完璧なアル中。アルコールがたたって入院するハメになった小島が、同室の患者らと事件を起こしながら、少しずつ、少しずつ、生命力を取り戻していく――。

 なにが凄いって、アル中はいかにしてアル中になるのか、どういう心境になるのか、ってことが怖いぐらい綿密に書かれているんです。わかっていても止められない、知っていても止めようと思わない。その行き着く先がどうなるのか、が描写されていて、ほんと、お酒を飲むのが怖くなります……。

 作者である中島らも氏の(おそらく)実体験に基づく小説。面白かったです!怖かったけど……。

八朔の雪―みをつくし料理帖
 オススメします。猛烈にオススメします。傑作です!

 江戸時代版の料理小説です。主人公の澪は類い希なる料理の才能の持ち主。上方から江戸へ移り、味や気質の違いに戸惑いながらも、料理人として成長してきます。

 もうね、なによりも料理が美味しそう!出汁の取り方から調理方法、そしてそれを食べる人々の反応、すべてが美味しそうなんですよ!当時の上方(京)と江戸における味の差というのは、これほどまでに大きかったのかと感心させられます。

 文章の流れも美しく、とても読みやすかったです!オススメします!(≧▽≦)

千葉県立海中高校
 新発電方式と新素材の発見により、海中に出来た都市と高校を巡る物語。夢の都市と言われた海中市だが、次第に綻びが表面化して――。

 生まれながらにして海中に生きる少女・夏波と、海中市の青春時代を回想する教師・牧村の二視点から描かれる物語。「海中に没する街」という設定はやや突飛ですが、過ぎ去りし青春時代や無くなる故郷の郷愁、といったセンチメンタルな雰囲気がいい!そして卒業式の雰囲気もいい!いろいろと「思い出させる」作品でした。