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地球外生命体 ― 存在の確率

 私の大好きな、地球外生命体について考察している本です。

 この分野では以前紹介した「広い宇宙に地球人しか見当たらない50の理由」という素晴らしい本がありますが、それに比べてこの本は、

 (1)生物が登場するにはどのような元素が必要か?炭素の代わりに硫黄やシリコンは生命体の基礎となりうるか?といった「宇宙の科学」

 (2)宇宙はランダムかカオスか?そして生命体が存在するための確率モデル、さらにインスペクション・パラドクス

 ……について深く考察しています。これまたすこぶるトキメキますね!表紙にも大きく書かれているように、地球外生命体の存在確率はprobability 1――限りなく1に近くなる――という結論には勇気付けられることでしょう。でも結局、だれの説が正しいのかは、実際に「見つける」しかないんですよね……。

エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する

 難しかった……_| ̄|○

 内容の5割も理解できてないかも_| ̄|○

 この本、「超ひも理論」の解説がベースとなっていて、前半は物理学者が超ひも理論に至るまでの道のり――ニュートンやらアインシュタインやら――の解説となっております。前半部分はすごく解りやすかった! 物体が光の速さに近づくにつれ、時間が(相対的に)遅くなる、という理由が図や例題を複数用意して説明されていて、初めて理解できました。

 しかし後半の超ひも理論、M理論の説明はとても難しいかったです。「11次元のひも」という想像しづらい物体を扱っているせいもあり、想像がついていけないところがありました……。ただ「6次元のカラビ-ヤウ空間の図」や、「ブラックホールと素粒子が本質的に同じ」話など、理解できる部分をトピック的に拾っていくだけでも、この世界の秘密を垣間見た気がしてワクワクできます!

生命の星・エウロパ

 木星の第2衛星・エウロパには、生命がいる確率が高いとされています。それは何故か?

 かつては生命が誕生するための条件として「太陽」が挙げられていましたが、地球ですら太陽が無い環境――「深海」「地底」「南極の地底湖」――の中で生きていける生物がいることを示し、それによってエウロパはもちろんガニメデ・カリスト、土星の第6衛星タイタン、海王星の第1衛星トリトン、最果ての惑星・冥王星にだって生命が誕生する、もしくは誕生している可能性があるそうですよ!ワクワクする話じゃないですか!

 もしエウロパに知的生命体がいたとしたら、我々と接したとき彼らはどう考えるのでしょうか。エウロパの上空の堅い氷の殻が破れることで、自分らが木星という惑星の周りを回ってること、さらにその木星が太陽を回っていることを初めて知るわけですよ。きっと天文学は発達してないでしょうから、彼らのそのときの衝撃を思うと色々と考えさせられますね。

恐るべき旅路 ―火星探査機「のぞみ」のたどった12年―

 すごいよ。この人たちはすごいよ。

 惑星を観測するための理学研究者、目的地まで探査機をロケットで飛ばす工学系研究者、そして最小のエネルギーで惑星の周回軌道に乗せる「軌道屋」 と呼ばれる軌道計算研究者、それらがせめぎ合って日本独自の探査機を作っていきます。

 ロケットの出力、探査機の重量、観測機器、そして予算、すべてがNASAより劣る状況のなか、執念にも似た情熱をもって課題を一つ一つクリアしていく技術者たち。足りなくなった推進力を補うため軌道を北極星へ向けて跳ね上げ、 電源ON信号と誤認識させるためにわざと7千5百回のスイッチオンを繰り返してノイズを発生させる。彼方の空を飛び続け、決して手の届かない機械をチェックし修理する困難さは想像を絶します。

  筆者が技術者寄りの立場をとってるせいでしょうか、近眼的な官僚主導の省庁再編に対する苛立ちも滲み出ています。長期的な視野に立った技術の蓄積が必要だと痛感させられます。

宇宙に暮らす―宇宙旅行から長期滞在へ

 現在でも大金を払えば宇宙旅行は可能ですが、宇宙で長期滞在をするためにはどういった問題があるのか?本書では宇宙ホテルや月面基地の資材調達法やデザイン、閉鎖空間における精神問題や生命維持・宇宙酔いなどを取り上げ、宇宙旅行から長期滞在までを可能にする技術的道筋を示しています。

 極めて平易な文章で書かれていますので、建設の知識がなくとも楽に読めます。逆に各問題について詳しく掘り下げたい時は、他の書籍も探すのがいいでしょう。

 宇宙開発というと、まだ一般的にはSFのイメージがありますが、実際の建設会社がこういった構想を持っていることは嬉しくもあり、また頼もしくもあります。なんとか早いとこ実現してほしいものです!

NHKスペシャル地球大進化 46億年・人類への旅 第1集 生命の星 大衝突からの始まり

 DVDですのでお間違えなく!面白かったです!

 私は天変地異系のCGが好きでして、ディープ・インパクトの大津波のシーンや、ディ・アフター・トゥモローの北半球凍結シーンなんて胸がキュンキュンするんですが、このDVDはそんなの目じゃない破滅CGを見せてくれます!

 地球に過去8回程度あったとされる、直径400kmレベルの隕石衝突をCGでシュミレーションするのですが、これが圧巻!隕石衝突とともに厚さ10kmの地殻が丸ごとめくれ上がる「地殻津波」がおこり、一片が1kmもある破片は大気圏を突き抜けて宇宙まで跳ね上がった後に地球へ降り注ぎ、クレーターは高さ7000mの山脈となり、衝突の摩擦で蒸気となった岩石が地球を覆い、すべての海水および岩石が蒸発する「全海洋蒸発」が起こり、地球表面は太陽に匹敵する気温4000℃〜6000℃となる……。

 生物にとって絶望以外の何物でもないのですが、それでも地中の奥深くにいる微生物は生き残り、次世代の生物の原型となるそうです。宇宙に浮かんでいる以上、地球も他の天体と等しく過酷な環境にさらされていること、しかしその中でも生物は生き延びられることを、さまざまな物証・実験によって説明してくれます。面白かったです!