「俺のピクニック」100km歩行記(11)

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１８．永遠に続くイトーヨーカドーと交通標識
（０：２５　スタートから１６時間経過）

　工業地帯をようやくの思いで通過すると、風景に少しずつ都会の香りが混じってきました。日付が変わったころに千葉県蘇我周辺へ到着。やっと定常的に街灯が設置されるようになったよ！夜中だから人影はないけど、寂しさは薄れてきたよ！

　郊外では店舗が大規模になりがちですが、ここは一区画まるまるイトーヨーカドーという壮絶な規模のお店でしたよ。歩いても歩いてもイトーヨーカドー。日中であれば客で賑わう建物ですが、深夜では人の気配がありません。まるで廃墟のようです。

　それにしても、歩けども歩けども、

　「東京↑船橋」

　の標識が一向に変わらないのは凹みます。この道をまっすぐ行けば東京に着くんですね……

　「東京まであと４７ｋｍ」

　あと４７ｋｍ、て……我が家は東京の手前ですから、そこまでの距離はないとしても、あと４０ｋｍ弱はあるってことですよ……。

　「東京まであと４６ｋｍ」

　減らない……。歩いてもなかなか減らない……あえてＧＰＳの残り距離を見ないようにしているのに、強制的に目に入ってしまう……。まあ標識としては正しい有り方なのでしょうけど……。

　「東京まであと４５ｋｍ」

　まだまだ先は長いなぁ……。のどが渇いたけどコンビニも自販機もないしなぁ……。チョコもいい加減飽きたし、なにか食べたいなぁ……

　「東京まであと４７ｋｍ」

　距離が増えたー！！∑（￣■￣；

　いらんところでダメージ、ですよ。東京に行くまでの道が湾曲しているため、ときたま距離が増えるらしい。酷い……。なんて酷い道だ……。＿|￣|○　

　スタート前は、「蘇我近辺の漫画喫茶かホテルに入って、１時間ぐらい休むのもアリだな」なんて考えていたんですよ。でも無理。一度でも長く休んだら、もう二度と立ち上がれないって自分でわかる。寝転がることなんてできない。一歩、一歩ずつ前へ。

１９．千葉市中心部
（３：２５　スタートから１９時間経過）

　ようやく千葉市役所近辺を通過！きれいに整備された街並みですよ！車道が広いし夜中で車はスピード出しているしで、車道を横切ることなんてできません。幅広な道路をまたぐように陸橋が多数設置されているので、それを渡ることにします。

階段の上り下りが

辛い辛い＿|￣|○

　なにこれ。痛い。足が本当に痛い。エレベータが設置されている場所ならまだしも、そうでないところは手すりにしがみつき、泣きながら階段を歩きます。上りはまだいいのよ。下りがダメ。辛いとかじゃなくて、痛くて物理的に降りられない。

　そこで、階段を下るときは後ろ向きになり、手すりをロープのようにしてバックで降りていきます。そうでもしないと降りられないの……。歩道橋の上でぽつんと取り残されちゃうの……。

　気温は下がりまくり、息は真っ白。屋外や道端で休憩するしかないため、すでに体の芯まで冷え冷えです。そろそろどこか、温かい場所で休憩をしないと……。この体温の低下っぷりは、生命活動に支障をきたすレベルですよ……。

　ちなみに千葉市役所近辺で、左足首に違和感を感じはじめます。思えばこのあたりで疲労骨折したんですね、きっと。

２０．ロイヤルホストでおしるこパワー
（４：２５　スタートから２０時間経過）

　暖かいところで休憩したい。休憩したい。休憩したい。

　そんな最中にロイヤルホストを見つけたときは、「砂漠でオアシス」どころの騒ぎじゃないですよ！迷うことなくロイヤルホストに入店！客が一人もいない深夜のファミレスに陣取り、おしるこをオーダー！れっつ・いーと！

　甘ああああああああい（T□T)

　そして温かああああああああい（T□T)

　おしるこってこんなに美味しかったのですか。冷え切った体を温め、カロリーを摂取するという意味において、これほど適した食材がありますでしょうか！食事をするとともに、ここで靴下を交換。ファミレスで靴を脱ぐとは下品極まりないですが、誰も居ないから許してね……。外で靴を脱ぐ余裕はないの……。

　ちなみに食後、トイレに行こうとすると、いすに座ったままの形で足が固まっていることに気づきます。一度座ったら立てなくなるんです。しかし、ここで座りっぱなしでいるわけにもいきません。力ずくで膝を伸ばし、ピクニック再開。

　――結果として、ここでおしるこを摂取できて本当によかった。ロイヤルホスト出発後、休憩なしで５ｋｍを踏破することに成功！この状態において５ｋｍを一気に潰せたのは本当に助かった！やはり人間、食べた分だけ動くように出来ているんですね……。

　そして夜明けが近づくとともに、次のチェックポイントが迫ってきます。