映画「ぼくらの七日間戦争」
原作:宗田理。宮沢りえの出世作としても知られる。学校に反感を持つ中学生グループが廃工場に立てこもり、親・教師・果ては警察といった「大人」たちと戦う7日間の物語。
学校に不満はなかった。
この映画を見た当時、私は中学生だった。何気なく見た金曜ロードショー。そこに彼らは居た。大人達の理屈にとらわれず、自分たちの考えで動く彼らが。個性豊かな中学生が団結し、大人達をやっつけていた。
学校に不満はなかった。だが、彼らが羨ましかった。勉強やクラブ活動以外に自分を表現する方法があるなんて!その晩は色々なことを考えて眠れなかった。
次の日、同じように映画を見た級友たちと盛り上がり、僕たちも秘密基地を作ろうという話になった。親や教師には秘密の。僕たちだけの、子供だけの基地。
日曜日、僕たちは思い思いの荷物を持って裏山に集まった。秘密基地といっても、所詮中学生が作るもの。柱を立てて、青いビニールシートを屋根代わりに被せただけの基地。映画とは似ても似つかぬ質素なものだったが、それでも僕たちは満足だった。その後は基地に荷物を置いたまま、野球やらサッカーやらで日暮れまで遊んだ記憶がある。あの時の夕焼けは本当に綺麗だった。
――あれから10年。時代は昭和から平成へと移り、21世紀を迎え、あのころの友は散り散りになった。
「ぼくらの七日間戦争」の挿入歌「Seven Days War」を聞くたびに思う。はたして俺は子供のころ、自分自身の七日間戦争に勝つことが出来たのだろうか?いや、それ以前に。
俺の七日間戦争はあったのだろうか?
かつて青いビニールシートの秘密基地があった裏山は宅地造成が進み、いまでは跡形もない。
「Seven Days War」
Seven Days War 闘うよ
僕たちの場所 誰にもゆずれない
Seven Days War Get place to live
うつむかず生きるために
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