ball03wls.gif (1536 バイト)嗚呼 麗しの朝ご飯ball03wls.gif (1536 バイト)

トップページ 戯言 > 嗚呼 麗しの朝ご飯





 朝ご飯は絶対に食べなさい。

 朝ご飯を食べる人と食べない人では、仕事や勉強の能率に各段の差がでるといいます。当然でしょう。どんなに優れた車であっても、ガソリンを入れなければ走ることもままなりません。美容や健康のためにも朝ご飯は必須です。ダイエットのために朝ご飯を抜くなど、まさに愚の骨頂。物事の本質を見ていないと宣言しているようなものです。

 では朝ご飯に何を食べるか。

 悲しいかな一人身の私は、出勤前の手間などを考えてトーストと果物をとっております。ですが、どうもトーストというのは心に響かないのです。「今日もサラッと過ごそうか」という感じなのです。かつて栄養バランスを考えてシリアルに走ったこともありますが、味が短調で飽きてしまうのです。

 やはり日本人ならば。「今日もガッツリといこうか!何でも全力で取りかかってやろうか!」という気持ちになりたいのならば。

 日本食を食べましょう。

 ふんわりとやさしく盛られたご飯。豆腐・ワカメ・なめこ・葱・大根・ゴボウなどがふんだんに添えられた味噌汁。この二つがあれば、今日一日の成功は約束されたも同然です。クロワッサンやコーンポタージュには無い、優しさと力強さを兼ね備えたコンビ。同じ日本人として、この組み合わせを考え出したご先祖様を誇りに思います。

 基本はご飯と味噌汁ですが、多彩な朝のおかずも見逃せません。小皿にしょうゆをとり、焼き海苔をちょんと浸してご飯にのせる。しょうゆの染み込んだご飯を海苔で巻き取り、湯気といっしょに頬張る。嗚呼、幸せ。

 栄養価と手軽さを考えれば、卵も欠かせません。生でいくのならば、小鉢に割り入れてシャカシャカ。両親から教わったとおり、ご飯にくぼみを作ってそっと流し込む。ご飯が黄金色で満たされれば、胃袋から「早く食べさせろ」と催促されます。目玉焼きならばしょうゆを軽くかけ、そっと黄身の部分を開けると、これまた半熟気味の黄身がとろ〜り。白身とまぜて召し上がれ。

 ベーコンやハムは、表面がカリカリになるぐらいで。ソーセージもかるーく焦げ目がつくぐらいで。旬の焼き魚があったら他に何を望むというのでしょうか。ホクホクの身をほぐしてパクッ。寝起きの体に魚の旨味が染みこみます。焼きタラコや明太子を一切れご飯に乗せ、ゆっくりと崩しながら食べれば、自然に目も細まるというものです。幸せだなあ。

 ご夫婦やご家族と暮らしているのであれば、昨晩の残りが食卓に上ることもあるでしょう。いえ、決して恥ずかしいことではありません。昨晩のカレーの残りを小鉢に盛り、ラップをかけてレンジで温めれば一品できあがり。昨日よりも味わいに深みがあるでしょう?また昨日の晩御飯がトンカツだったりハンバーグだったりときの朝の期待感ったら!昨晩のウキウキ感をもういちど噛みしめることができるのです。

 もし貴方に共に暮らすパートナーがいて、その方が美味しい朝ご飯を作ってくれるのならば、どんな努力をしてでも手放してはいけません。ましてや食事の後、栄養のバランスを考えて何も言わずに牛乳やオレンジジュースを置いてくれるような人だったら、全財産を投げ打ってでも大切にし、尽くしてあげるべきです。

 

 

 嗚呼。類稀なき美貌も魅惑のバディも要らない。毎朝美味しい朝食を作ってくれさえすれば、すぐにでも三顧の礼をもって迎えに参りますものを。

 

 

 …そんなことを考えながら、トーストにジャムを塗りたくって食べてるわけです。 腹減ったなあ。こんなんじゃ力がでないよ。