










なんですか世間は夏のボーナスボーナスで大騒ぎですか。去年より額が減っていて痛いとかカミサンに何て言おうとか髭にビールの泡を付けながら吠えていますか。いいなあボーナス。俺も欲しいですよ。
というわけでサラリーマンの楽しみ、半年に一回ブルジョワな気分になれるボーナスなるものも我々バイト君には無縁なわけで。
ところが!なんと店のバイト仲間に「唯一」ボーナスが振り込まれた勇者がいるのです!その名はO君!2万円程度だったそうですがそれでもボーナスはボーナス!さすがはこの不景気の中で新店舗を出すだけのことはあります我がお店!伊達に社長が気功セミナーに通っていません!(←あんまり関係ない)
で、その日は新店舗開店の日。我々は旧店舗でO君ともども働いていたわけですよ。O君のボーナス自慢話はとめどもなく、我々に殺意を感じさせるに十分なくらいでした。そこに現れた我らが社長。なんか知らないけどものすごい笑顔です。
社長「おお、O君、がんばってるか」
O君「はい!もちろんです社長!」
社長「そうか。君には期待しているからね (←大伏線)」
O君「はい!がんばります!」
社長「ところでO君、今から新店舗に行ってそちらの方で手伝ってもらえるかな?」
O君「ええ!いいですとも!」
社長「そのとき、これを着て欲しいんだ」
・・・僕の目が曇ってなければ、それは肉厚十分の等身大ソニックの着ぐるみのように見えるのですが・・・。
O君「え゛・・・これを着るんですか・・・・」
社長「うん。それを着て外で子供たちを勧誘したり遊んだりして欲しいんだ」
外は今年一番の暑さ。軽く30度オーバーの炎天下。
社長「大丈夫だよね、君には期待しているから。ボーナスも入ったし大丈夫だよね」
・・・社長、あんたなかなかのやり手だな。
O君、断れませんでした。ボーナスのせいで。
我々ボーナス入らなかったバイトは大喜び。だれも同情しやしねえ。恨めしげに見つめるO君をしり目に万歳三唱。お店のために華々しく散ってこいや。
で、二時間後。「いまごろ大変だろうな・・・」なんて話をしていると新店舗から電話が。
「もしもし。たしか旧店舗に扇風機があったよな?新店舗に持ってきてくれる?」
「え・・・ええ、ありますけど。クーラー効いてないんですか?」
「いや、俺達じゃない。ソニックがへばりそうなんだ」
暑さでへたばっているソニック。想像するだけで笑えます。
そのあと、ことあるごとに電話で「ソニックの様子どうですか?」って聞いたんですよ。そのたびに弱っていく様子が克明に報告されて。
「今、炎天下の下、あらぬ方向を見つめている」
「ああ、辛そうです!マジで辛そうですソニック!」
「倒れるように店内にはいってきたよ」
「いまカウンターの下でしなびている」
「ぴくりともうごかないです」
「あ、腐臭がしてきた」
報告がなされるたびに俺達大爆笑。東スポとかに記事売れたな。「ソニック倒れる!」とか。まるで今のセガを象徴しているようで。
なんか後で聞いた話だと、朦朧とした意識の中、足にまとわりついてきたガキがうざったくて蹴ったような気がするとのこと。いけません正義の味方がお子様を蹴っては。
みなさんの通帳にも身に覚えの無いボーナスとか入っていませんでしたか?入っていたら気を付けたほうがいいですよ。
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