終末論を軸とした学園物ADV。4人の視点からそれぞれ物語を見ることになります。最初の2人あたりでは情報が少なくてストーリーの筋が見えてこないのですが、4人全員をクリアすると背景が見えてきます。
終末を前にして救世主を語り出す者。生徒はおろか教師までそれを信じ、最後に集団自殺をする。結論から言いますと、このゲームかなりいいです。最初の二人あたりではそれほど惹かれなかったのですが、3人目のざくろ(前世を信じて仲間とともに自殺)、4人目の卓司(自分は救世主だと信じ、集団自殺)あたりが最高です。ゆっくりと狂っていく感じが。むしろ最初の二人は前置きであり、最後の二人が本筋です。
特に4人目の卓司。壁に自分で書いた魔法少女と会話をしてそこから悟りを得たり、ふたなり趣味なところもなかなかですが、こいつ、人外のものを見始めるのがステキです。その映像がすげえ。
校舎の奥の廊下から巨大な顔が出てきたり、飛び降り自殺した生徒と会話したり、目が血の涙を流してプールを満たしていたり、昼間の人ごみの中、はるか向こう側のビルから此方を覗いている顔があったり。
これらの画像が異常にシュールでいいです。アメリカのグログロホラーより日本の「リング」あたりに感覚が似ている不気味さとでも言えば伝わるでしょうか。
確かに既読メッセージスキップが無い、一画面の会話が妙に長いときがある、などのシステム的に不満はあります。ですが全体的に見れば。
面白い。
――願わくばこのゲームを、1999年7月以前にやりたかった。
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