










「ママ―、遊戯王のガチャポンぼじいよー。がっでがっでえええ。」
「まあ、まーくんたら。涙と鼻水でぐしゃぐしゃになりながら地団太踏んだってママ買ってあげませんからね。自分の貯金で買わなきゃ駄目でしょ?」
「だって全部使っちゃったもん。」
「じゃあ稼げばいいのよ。」
「どうやって?」
「マップ画面を見てごらん。ルート上に数字が出ているでしょ?これがチェックポイントなの。これを順番に回るとお金が入って、時間内に規定周回するとクリア。チェックポイントさえ通れば、コースを外れようがビルを突っ切ろうがOK。やってみて。」
「ママ―、制限時間が1分30秒ってなってるよ。これじゃあ絶対クリアできないよお。」
「大丈夫。そういう時は人を轢くの。」
「え?この人たちって敵なの?」
「ううん。全然罪も無い一般人よ☆おもいっきり助走をつけて轢いてみて。」
「うん。解ったよママン!」
キイイイイイイイ「きゃああああ!」ずどん!ぐしゃ!
「ママ、タイムが増えたよ!おまけにお金まで。」
「そう。このゲームはね、一般市民を轢かないとクリアできないようになってるの。これを人と思っちゃ駄目。お金と時間の入った血袋と思わなきゃ☆」
「すごいねー、壁にぷしゃあああ!って血糊が広がったよ!あっママ、轢き損ねて腕がないまま道路でもがいている人がいるよ。」
「そういうときは、バックで轢いてみて。」
ぶおおおおん「うああああ!」ぐちゃぐちゃぐちゃ!
「あっ、『スタイリッシュボーナス』って出たよ!」
「そう。人を轢くときにジャンプでぶち当たったりドリフトで壁に押し付けて圧殺したりバックで轢いたりするとさらに高得点なの。他にも『パイルドライバーボーナス(頭からつっこむ)』『バーベキューボーナス(燃やして轢く)』とかいろいろあるのよ。」
「このコンボっていうのは何?」
「これはね、連続で轢いていくと2combo、3combo・・・と増えていくの。よく格闘ゲームで連続攻撃すると出るでしょ?あれと同じ。同じコンボでもこっちの方がはるかに残虐でステキだけどね。」
「ママ、道路に落ちている箱はなに?」
「これはアイテム。『ターボ』『装甲が硬くなる』とかの一般的なものから、『重力が月と同じになる』『酔っ払う』『跳ね回る』などの困った効果、極めつけは『人の頭だけでかくなる』『人が踊り狂いながら車に突っ込んでくる』『手足がもげやすくなる』『死体がぴちぴちと跳ね回る』などのお馬鹿なものもあるの。これを考えた人は間違い無くキてるわね☆」
―Race complete―
「ママ、やっと4周してクリアだよ。疲れたあ。」
「そう。クリアするには『規定周コースを走る』の他に『ライバル車を全部潰す』『市民を全員殺す』の三種類があるの。最後の方なんか『ライバル車を潰す』ほうが楽になってくるわよ。」
「あっ、なんか車が買えるよ。」
「そう、そのコースで潰した車は買えるの。普通のレース車からダンプ・ショベルカー、トラクターや戦闘機まで買えるわよ。後半になったら大型車でライバル車を潰すほうで攻めたほうがいいわよ。」
「・・・ねえママ・・・」
「4レースに1回『ミッション』っていうのがあって、それだけは他のレースとは違ってクリア条件が決まっているの。例えば『アンテナを全部壊す』とか『患者を全員轢く』『パトカーを全部潰す』とかね。すごいのになると『空母の砲台を全部大破させてその後エンジンを破壊・最後に悪の総帥を殺す』なんてのもあるわよ☆」
「・・ねえママってばあ。」
「とくに最後のミッションなんか、『核実験場の安全装置をすべて破壊、その後ボタンを押して自爆装置を起動させる』なんてのもあるわ。まさに最後に相応しいミッションよね。とにかくストレスが溜まっている人にはおすすめのレースゲーム・・・・・」
「ママってばあ!」
「・・・あっゴメンまーくん。ママったらちょっとあっちの世界に行っちゃってたわ☆どうしたの?」
「パッケージに18歳未満禁止って書いてあるんだけど。これって僕はまだ出来ないんじゃない?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「なに言っているのよまーくん、あなた今年で36歳でしょ?ダブルスコアよ?大丈夫。全然問題無いわよ☆」
――このゲームほど18禁に相応しいゲームはないでしょう。人を轢くことに慣れたら、しばらく休憩して草木を見つめ花を愛でることをお勧めします。そしてまたぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちぷちえへへへへへへ・・・となりましょう。最近原付で道路を走っていて、前方に側面をさらした車があると突っ込みたくなります。気をつけましょう。
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