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バブルの歴史―チューリップ恐慌からインターネット投機へ

 一般的に書かれた初めてのバブル通史、だそうです。面白いです!

 私たちは「バブル」と聞くと、1980年代に起こった日本でのバブル経済を思い出します。ですが、バブルはそれ以前より頻繁に起こっています。17世紀オランダでのチューリップ球根バブル、18世紀イギリスでの南海バブル、1920年代アメリカでの鉄道バブル……。

 そして、それらのバブルが気持ち悪いぐらい同じ仕組みで動いていることに驚かされます。

この価格は高いが、もっと高値で買うバカがいるから買う、という発想

いままでの景気循環説では説明ができない、新しい「新経済の時代」が来たのだ

市場から金を巻き上げようと、到底実現しようもない新ビジネスが提案され、投資家がたいして検証もせずに投資する

 この本は1999年に発刊されましたが、2005年現在を考えても、まったく同じような行為が散見されています。過去にバブルで踊った(踊らされた)人を見ると、その愚かさに失笑したくなりますが、おそらく自分自身がその渦に飛び込んでいたら、愚衆と同じように踊っていたことでしょう。人間は誰だって思います。「今度ばかりは違う」そして「私だけは違う」と。

賢いはずのあなたが、なぜお金で失敗するのか

 どうして貰ったお金はパーッと使ってしまうのか?

 どうして利益が出ている株を早く売り、損失が出ている株を持ち続けるのか?

 人間がお金に関して陥りやすい行動を「行動経済学」と定義し、「心の会計」「錨をあげる」「損失の嫌悪」といった言葉で分かりやすく説明しています。

 本のタイトルを見ると、お金の本に見えますが、株に関わる話が多く見られます。!どうして我々が損切り出来ないのかを、ここまで明確に説明した本は初めてです!株をやってる人・これからやろうとしている人にオススメですよ。

敗者のゲーム(新版) なぜ資産運用に勝てないのか

 秀逸です!株をやる方は一読をオススメします!

 最近気付いたんですが、売買手法を論じる本って大きく二種類あって、

 (1)「1年で3億稼ぐ方法!」といった、トップレベルの投資家がトップレベルの成果を出す方法を論じる本

 (2)平均的な投資家の現実を論じる本

 で、(1)の本はイラストが多く文字もカラフルで、とても読みやすいわけですよ!それに対して(2)はいくつかのグラフ、あとは文字びっしり、で一見とっつきにくいんですが、読んでみるとかなり面白い。この「敗者のゲーム」は(2)にあたります。

 「インデックスファンドに勝てる機関投資家はごく少数である」という話、「投資は勝者のゲームではなく、敗者のゲームである」という話、「ミスター・マーケットとミスター・バリュー」の話、「インフレの持つ、臼でひき潰すような凄まじい破壊力」の話、など引用したい話が盛りだくさんです!決して投資熱を煽る本ではありませんが、一度は読んでみてください!

ウォール街のランダム・ウォーク―株式投資の不滅の真理

 これまた傑作です!1973年に書かれたものですが、「不滅の真理」のタイトルの通り、現代でも充分通用する本です。過去にあったバブルの歴史からテクニカル分析とファンダメンタル分析の成績比較、現代ポートフォリオ理論と投資戦略、と一通りのことが語られています。

 テクニカルは全否定、ファンダメンタルも役に立つのか?という話、システマティックリスクを評した「β」の話、さらにβすら役に立たない?という話など読むと、羅針盤を否定された船乗りの気持ちになれます。しかしながら面白い!

 株を始めたばかりの方にはとっつき難い本です。でも最初にこういう本を読んで知識を仕入れておくと、後でかならず武器になると思いますよ。