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あやし うらめし あな かなし

 浅田次郎の短編集。タイトルから想像できるように、死者や物の怪をテーマとした浅田次郎の短編集です。

 死者といっても、恐怖を抱かせるような種類の話ではなく、むしろ切なく哀しい気持ちにさせられる話ばかりです。どの話もすっきり終わるものが無いのですが、それがまた生と死の境目を滲ませているようで、不思議な読後感に浸れます。

石の目

 乙一の本を読むと胃のあたりが重くなる感覚に捉われるので、気軽に読み始めることができないんですよ。ある程度の時間と覚悟をちゃんと作ってから「よし!」とページをめくる、そういう本が多いんです。

 ところがこの「石の目」、かなりあっさりとして読めます。童話や昔話のような雰囲気が強いんです。心なしか乙一臭さも薄い。初期の作品なのかな……。 いくつかの物語がありますが「BLUE」がお気に入りです。

死神の精度

 いやー伊坂すごいなー!基本的に外さないなー!がっつりオススメでございます!

 担当した人間が死ぬべきか否かを判定するために人間界に降り立った死神「千葉」と、その監視対象となる人間。監視期間として定められた1週間のショートストーリーなんですが、まーどの物語も面白いこと!

 お得意の洒落た言い回しといい、最後のストーリーで「ああ、そういうことか」という読後感といい、伊坂テイストがしっかりと織り込まれているのもいいですね。胸を張って「この本を読んでよかった」と言える一冊です。

砂漠

 伊坂幸太郎作の青春小説。入学時の新歓コンパでなんとなく知り合った連中とつるんで、麻雀したり恋をしたり。そうそう、大学生ってこんな感じだよね!と納得しちゃうぐらい、どの人物も行動が若い!だけど魅力的!

 私の大学時代もいい友人に恵まれ、麻雀にあけくれていたのに、なぜ彼らのようなストーリーにならなかったのだろう?と考えたら東堂や南のような女性が周りにいなかったことですな!というか、大学1年で女性連れで海に行くなんて、彼らは勝ち組に違いないんですよ!(西嶋風)

図書室の海

 久しぶりに読んだ恩田陸作品です。

 短編集でして、ホラーとまではいかないものの、全体的にちょっと不思議な雰囲気のある作品が多かったです。どれも長編の導入部分や要約のようで、、もうちょっと読みたいなーと思ってしまいました。

 映画化もされた「夜のピクニック」の予告編、「ピクニックの準備」を読んだのですが、これがもう、本編を読まざるを得ない終わり方なんですよ!大規模な学校イベントの前日のワクワク感と相まって、続きが気になって仕方がありません。夜のピクニックも読みます!

涼宮ハルヒの憂鬱シリーズ

 ネットで火が点き大ブームとなった「涼宮ハルヒの憂鬱」。みなさんも1度はアニメのEDを見たことがあるのではないでしょうか。

 涼宮ハルヒの憂鬱から始まり、溜息・退屈・消失・暴走・動揺・陰謀まで読みました!(どうやらその先に「憤慨」がある模様)

 なんの予備知識もなしに読んでみたんですよ。てっきり学園ドタバタコメディかと高を括っていたのですが、すごいですよ。予想外の角度からSFを決めてくれますよ!それも私の好きな種類のSFですよ!こらブームにもなりますって!

 主人公キョンの視線で物語が進むのですが、キョンの比喩表現がすごく面白いですね。巻が進むにつれ、登場人物の心境が少しずつ変化していくのがまた嬉しくてね!長門が!長門が!