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眠りの森

 「どちらかが彼女を殺した」を読んだときも感じたのですが、東野圭吾って、純度の高い推理小説が多い気がします。

 バレエ団の事務所で男が殺される。殺人を犯したのは団員のバレリーナ。正当防衛としか思えない状況のなか、刑事の加賀は事件の真相に迫っていく――。

 最後になって、各人とのつながりが一気に見えるようになります。楽しませてもらいました!

思いわずらうことなく愉しく生きよ

 性格も恋愛感も異なる犬山3姉妹が、心の底でお互いの繋がりを感じながら、両親やそれぞれのパートナーと「愉しく」向き合っていく、そんな小説。

 やっぱりメインは長女の麻子なんでしょうかね。夫からDVを受け、妹から心配されながらも、それでも別れようとしない麻子。その心情の描写がいちいち上手いんですよねー。DV夫から離れられない妻の気持ちって、ああいう感じなのでしょうか。

 3姉妹とも、決して平坦ではないものの、それぞれの人生を愉しく生きている様は、見ていてなぜか安心できました。

図書館革命

 複数冊にまたがる本をちゃんと読み終えようシリーズ第1弾!まずは、全4冊でありながら、3冊目で読み止っていた「図書館戦争シリーズ」の最終巻です、で、

 ( ゚д゚) 甘ったりいいいいいいいいいい!!

 な、なんだ、このラブラブっぷりは……!こりゃ半端ねぇ……!

 前々から言っております通り、有川浩の作品は、

 ・自衛隊 50%
 ・ラブラブ 40%
 ・ちょっと黒ーい感じ 10%

 であると私は分析しているのですが、この作品はラブラブが85%以上あるっ……。カルピスで煮詰めたイチゴタルトを口に詰め込まれた気分っ……!

 そして悔しいことに、物語が面白いのですよ!一人の作家を奪おうとする良化委員会と、それを防ごうとする図書隊の攻防!それはやがて、マスコミや世論を巻き込んだ総力戦へと発展していきます。だから途中で止められなかった……。最後までラブラブされた……_| ̄|○

 4冊を通じて、素晴らしい作品でした!(≧▽≦)

マルドゥック・ヴェロシティ(3)

 ちゃんと読み終えようシリーズ第2弾!まずは、全3巻中、2巻まで読んでいたマルドゥック・ヴェロシティです!

 面白ええええええええ! (゚Д゚ )

 これはすごい。「マルドゥック・スクランブル」の前の話なので、最終的な着地点はだいたい想像できるのですが、そこに至るまでの道筋がまったく見えない!ただひたすら、ひたすら虚無へと沈んでいくのですよ!この雰囲気はたまりませんわー!

 あいかわらず特徴的な文体ですが、それにさえ慣れることができればオススメであります!戦闘シーンの描写が上手いのよねぇ……。

さまよう刃

 娘を殺された父親が、少年法に守られる加害者へ復讐を果たそうとする。

 もうね、徹底的にムカつかせるように加害者が描かれていることもあって、親父さんを応援したくなるんですよ。仇討ちは法律で禁止されていますが、それでも!それでも!

 加害者を殺そうとする父親と、加害者および父親を確保しようとする警察の競争にドキドキさせられます。テーマは重いですけどね!読むの辛かったわぁ……。

中原の虹(1)〜(4)

 ( ゚д゚) なんという壮大な作品っ……!

 「蒼穹の昴」の続編にあたる、浅田次郎の中国史小説です。さすがは浅田次郎、文章が美しくて読みやすい!(ところどころある電報文は読むのに苦労しましたが)

 近代歴史の教科書に載っているような「張作霖」「西太后」「袁世凱」といった歴史の立役者が、人間臭く、生き生きと描かれています。コレ読んでからだったら、歴史の勉強も楽しいでしょうねー。見事な大作でした!

珍妃の井戸

 「蒼穹の昴」の外伝にあたる、中国時代小説です。中原の虹とも繋がりがありますね。

 時は清朝末期の中国。義和団事変の混乱の最中、美しい妃が何者かに殺害された。立憲君主制を世に示すため、日独英露の4貴族が犯人を探すこととなり、関係者に当時の事情を聞いて回ることになる。二転三転する犯人像。そして4人が最後に行き着いたのは――。

 この時代の中国って、歴史の授業でも苦手なところだったんですよ。ですけど、浅田次郎の本を読むと、そのあたりの興味がむくむくと沸いてくる!面白かったです!