よりもい聖地巡礼(南極)

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諸君らに問おう。

 

「南極」とは何か?

 

  

南極とは?

「南極」「南極圏」については、実はさまざまな定義・考え方が存在します。Wikipedia様の記載を見ても、

・夏に白夜になる高緯度地域。南緯66度33分より南。

・南極大陸と南極海をおおまかに指す。

・南極大陸を取り巻くように流れる南極海流の北限である南極収束線以南。

・南極条約では、南緯60度以南。

Wikipedia「南極圏」

…と、いろんな解釈があるわけです。

 

実際、クルーズ船がドレーク海峡を通過している最中、船内放送が入りました。

放送:「南極にはさまざまな定義があります。その定義の中の一つ、『南極収束線』を、本船はただいま通過しました」

南極収束線は、冷たい南極の海水のうち偏西風によって北向きに輸送される海水と亜南極の比較的暖かい海水が出会って混ざる所(潮境)である。

Wikipedia「南極収束線」

 

そうです!

2019年1月28日、17時40分!

ついに我々は、南極収束線を通過したのです!!!

 

 

 

あっハイ

 

特に感動はないわけです。「南極収束線……うん、そういうのもあるのね、うん」ぐらいの印象しかない。

このように、BLのカップリングでも解釈違いで戦争が起きかねない昨今。「問おう。お前の南極とは何だ?」という質問は、あなたが私のマスターかどうかと同じぐらい重要な問いかけになります。

何をもって「南極に来た」と実感するかは、人それぞれですが、かくいうワタナベは、何をもって南極を実感したか。

 

氷山でした。

 

「よりもい」と氷山

よりもい」でも、最初の氷山に遭遇するシーンが描かれています。

宇宙よりも遠い場所 STAGE8

 

ドレーク海峡の洗礼を乗り越え、本当の意味で「船に乗れた」4人を出迎える、最初の氷山。

 

宇宙よりも遠い場所 STAGE8

 

「そのとき確信した!この氷の向こうに、本当に南極があるんだ!」と実感するキマリたち。BGMに流れる「One Step」。

この時点を境に「日常とは別の世界…南極に入る」ことが明示される、とても印象深いシーンでもあります。

私もこの場面は鮮明に覚えており、「きっと氷山を見たら感動するんだろうなぁ、南極を実感するんだろうなぁ」と思っておりました。

そんな私が、ようやく最初の氷山に遭遇します。

 

第一氷山発見!

船内放送「みなさんご注目ください。本船の前方に、氷山が見えました。本クルーズで最初の氷山となります」

やった!ついに氷山が来たー!(≧▽≦)

慌ててベランダに出ると、前方、曇り空の下、吹雪の向こう側に、

おおおおお

おおおおおおおおお

おおおおおおおおおおお!

すげー!!なんだこれ?!すさまじい非現実感!異世界から迷い込んだような存在感!すごーい!すごーい!!

IQが3になって「すごい」しか言えなくなった「なんきょくちほー」の我々に気を利かせて、船は氷山の周りをゆっくり一周します。さすがクルーズ船、こういう粋な計らいも見せてくれる!

 

圧巻。

海面からの高さ105m。見たことのない異質で巨大な物体が、大海原のなか、ぽつんと海面に浮かんでいるのです。そして、聞いたとおりの青さ!氷山ってこんなに青いのか!すごーい!!すごーい!!! すごーい!!!!!

 

日常では決して見ることのない景色を目にして、興奮とともに私は、このとき、やっと、実感したのです!

 

 

南極圏に入ったぞー!!!(≧▽≦)

 

 

その16へ続く。

よりもい聖地巡礼(南極)

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ウシュアイアを出港した、我らのペンギン饅頭号ことル・ボレアル号。

この期間の旅行日程表を見てみると、

二日間「終日クルージング」のみ。

ひたすら航行。まったく余白が眩しいぜ!

 

そして、南極へと向かうこの二日間こそ、悪名高き「ドレーク海峡」に挑む二日間でもあります。

 

ドレーク海峡とは?

ドレーク海峡。

そこは「世界で最も荒れる海」として有名な海峡。

 

海流は、地球の自転によって生まれています。一般的な海流は、大陸にぶつかることで勢いが弱まります。

宇宙よりも遠い場所 STAGE8

しかし南極のまわりは大陸がないため、海流が弱まらない!それによりドレーク海峡が大荒れの海となるわけです。

そのあまりの荒れっぷりから、「吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度」と称される南極の海。「よりもい」でも恐怖の対象として、なにより南極の洗礼として描かれていたことはご存知でしょう。そう、船酔い!ぎぼちわるいです!

宇宙よりも遠い場所 STAGE8

 

キマリたちの乗っている砕氷船は、氷を砕きやすいように、船底が丸くなっています。だから、なおさら揺れやすい。南極観測隊の話だと、もっとも揺れたときで

「左に45度傾いて、そのあと右に45度傾く、を繰り返す」

んだそうです。スキーやスノボをやってる方なら分かりますよね。45度って壁だよ。

対して我々の乗っているクルーズ船の揺れは、そこまで酷くはない……と想定されます。砕氷船ほど船底も丸くはないし、揺れ防止のスタビライザーも装備していて、対策は施されている。

 

だけど、

それでも、

とんでもなく揺れるのがドレーク海峡。

 

この海峡の恐ろしさは、南極ツアーの説明会でも繰り返し、繰り返し言われてきました。

客:「ドレーク海峡は揺れる、って聞いたんですけど……」

添乗員「確かに揺れます。だけど、前回のツアーではね、みなさん『せっかくの食事がもったいない!』ってね、頑張っちゃって。7割ぐらいのお客さんは『気持ちわるいー』って言いながら、食事に来てましたよー(笑」

 

3割死んでるじゃねぇか。

 

すこぶる暗澹たる気持ちになるわ!普通、ツアー説明会って楽しいことばかり話すものじゃない?正直すぎない?まあ、とにかく揺れることはわかる!

そしてもっと怖いことに、どんなに気持ち悪くても、リタイアしたくても、逃げ場がない!船はどこでも揺れる!まわりは全部海!どんなに苦しくても気持ち悪くても、数日間揺れっぱなし!

 

南極クルーズの船酔い対策

もちろん我々とて、なんの準備もなくドレーク海峡に挑むつもりはありません。

まずは酔い止め薬!説明会では「アネロンが良い」と聞いたので同種のものを準備! ちゃんと往復分の数量を計算しようね!南極から帰ってこられなくなるよ!

 

……そして、キマリや報瀬たち女子高生には真似ができない、大人の我々だからできる、もう一つの対策。それは、

 

 

 

酒。

 

そう、作戦名「船に酔う前に酒に酔え作戦」であります!!前回の記事にもあったとおり、この船はアルコールが基本無料!ワインもビールもシャンパンも、24時間無料で飲める!供給量は充分!

しかもこの「船に酔う前に酒に酔え作戦」、世界の船乗り達にも広く知られている手法らしく。なんでも知人のロシア人船員が言ってたそうだから、間違いないね!ロシア人が酒で間違ったこと言うわけないもんね!

というわけで、致し方なく酔い止め薬を飲み、致し方なく酔い止め薬(酒)を飲み、万全の布陣で乗り込んだドレーク海峡!その結果は!!

 

 

ドレーク海峡冬景色

……あれ?

 

……あれあれ??

 

 

すこぶる穏やかなんですけど

 

そう、ドレーク海峡は、「普通は荒れている」「ひどい時は超荒れてる」のであって、四六時中悪天候なわけではありません。わずかながら荒れていない、平穏な時もあるんです。

 

その、平穏なとき、

捕まえちゃったー。

 

こんな穏やかなことはほとんどなくて、実際、復路のドレーク海峡はこんな感じでした。

動画を見ていただければ分かるんですけど、船の上下がすごい。船が、うねるうねる。体が浮く浮く。

先日の某世界ふしぎ発見で、「この船でワイングラスが倒れたことがない」って紹介されてました。確かに倒れる感じじゃないんですけど、うねるんですわ!!ゆーっくり、大きく、揺れるんですわ!ボッシュートされる勢いなんですわ!

 

これが「普通」。

復路のドレーク海峡では、プロの添乗員ですら11人中7名が倒れたそうです。レストランに来る人、どんどん減っていった。ツアー客に人狼がいるの?ってぐらい毎回減ってた。

 

しかしながら、それに比べて往路の穏やかといったら!

まさに「強運」「日頃の行い」「神に愛されし存在」といったナイスワードしか浮かばない!いやーまいったなー!!「ドレーク海峡で悶えるワタナベさん」を想像していた読者の期待に沿えなかったなー!なんかごめんなー!!

しかし、油断は禁物です。よりもいの4人も、船酔いの薬を切らしたがために、ひどい船酔いに苦しんだのです。私だってそうなるかもしれません。しっかり薬を飲まなければ!「薬」をね! 

 

 

 

ちなみにこのとき、月曜日の午前7時。

 

 

勝った!!!(何かに)

 

日本にいれば、月曜という憂鬱を抱えて、電車に揺られて出勤している時間帯です。今週の仕事を頭の中で組み立てながら、ため息まじりに次の週末を夢見ているころです。

 

しかしいま私は、クルーズ船で朝からフレンチを楽しみ、シャンパンを飲みながらフルーツをつまんで、穏やかな海を眺めている――。

 

 

 

(゚Д゚)勝った!!!!(何かに)

 

これを勝利と言わずに何が勝利か!私は間違いなく何かに勝ったのです!全日本サクセスランキングがあったら、あの瞬間だけは上位に食い込んでた。海軍本部に懸賞金かけられてた。ワンピースのOP主題歌、流れ始めてた。

そんなありったけの夢をかき集めたクルーズ船は、好天に恵まれすぎた結果、予定より早い速度で南極へと向かっていきました。

 

 

なお、ドレーク海峡は嵐がなかったその時、日本の嵐が大変なことになっていたと知ったのは後のことです。

 

 

そして船は順調に南へと進み、ついに、「南極」へと突入します――。

 

 

その15へ続く。

よりもい聖地巡礼(南極)

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乗船

いよいよ乗船です!

これが我々のペンギン饅頭丸こと「ル・ボレアル号」であります!

移動手段であり、レストランであり、宿でもあるこの船で、我々は10日近くを過ごすことになります。この船に乗って、行きます!南極!

乗船タラップを登ると、まずはクルーのみなさんがお出迎え。

 

船長もいらっしゃいます!か、かっこいい……!なんという威厳……!

 

入り口で貰えるおしぼりは温かく、フローラルな香りがして、あふれるラグジュアリー感に目眩がしそうです!

 

それではここで、初クルーズ旅のワタナベが、船内のご紹介をいたします!要チェックですよー!(ここはcv:結月のイメージでお願いします)(中身は40過ぎのオッサンです)

 

クルーズ船のご紹介

かつて、南極に行くためには小さな船の3段ベッドにみっちり詰め込まれ、大揺れの海を航行して向かったそうです。

( ゚Д゚)しかーし!!!技術は進歩しました!!!

いまの南極旅行は、果てしなく快適になっているのです!

部屋はなんと個室!それも一流ホテルのようなラグジュアリー感!オーシャンビューのベランダ付き!

 

部屋にはシャワーもトイレもついてる!さすがフランス船、アメニティはエルメス製!これが毎日補充される!!

 

え?すごすぎない?私、死んで天国にいるの??

部屋の扉にこれを貼って、「ここを昭和基地とする!」

 

つづいて船内の設備のご紹介!船にはレストランが2つあり、どちらでも食事が可能!ビュッフェ料理とコース料理、好きな方に行って食事ができる!

 

カフェではマカロンやアフタヌーンティーが楽しめる!ときたま生演奏のライブもやっている!

水着着用で入れるミストサウナもある!お肌ツヤツヤになっちゃう!

 

スポーツジムもある!南極の大地を見ながらランニングすることも可能!

 

南極海の海水を組み上げて温めた、温水プールもある!インスタ映えする写真、撮っちゃいなよ!

 

ライブラリルームも、バーもある!本を読んだりお酒を楽しんだりできる!

 

さらにブリッジも開放していて、有事のとき以外はいつでも入室が可能!

テンションぶちあがるわー(≧▽≦)!!!!

 

この時点で、欽ちゃんの仮装大賞だったらすでに合格ファンファーレが鳴っているほどの満足度ですが、さらに追加で、このツアーには良いところがあります。

 

それは、船内の食事・だいたいの飲み物・チップがすべて料金に含まれている、ということ。お酒も、高級ワインは別料金だけど、ハウスワインやビールは無料。

つまり!!!

レストランの食事!!!無料!!!何を食べても何を飲んでも無料!!メインだけ注文してもいい!昼からワインを飲んでもいい!

 

バーのアルコール!!無料!!!シャンパンを呑みながらマカロンつまんで「なかなか合うね……」とかほざけばいいじゃない!!無料なんだから!!!

 

部屋備え付けの飲み物!無料!!飲めば飲んだだけ補充される!!オーシャンビューのベランダで涼みながらビールがぶ飲みしちゃえよ!

 

ルームサービスは24時間対応!!もちろん無料!!!朝から部屋でハンバーガーを食べてもいい!スープを飲んでもいい!もちろんお酒を飲んでもいい!

 

(≧▽≦)天国かー!!!!!!

 

生 き て て よ か っ た

心から、素直に、そう思えた。私がアーティストだったらこの時点で「母ちゃん生んでくれてサンキューソング」をしたためている。「こんな……こんな幸せなことがあるはずがない!これは夢だ!!」って頬を引きちぎる勢い。

いいの……?こんな幸福な世界に、10日間もいていいの……?前世で世界を3回ぐらい救わないと、受けちゃいけない待遇じゃない……?

ひとしきり幸せに身悶えしたところ、船内放送が。

放送:「今から出港いたします。出港の様子をご覧になりたい方は、デッキまでお越しください」

 

出港

船尾のデッキに向かうと、まさにウシュアイアから出港する瞬間!

ついに、

ついに、

出港だー!

 

おだやかに響くバックミュージックを聞きながら、ゆっくりと遠ざかるウシュアイアの地を眺めます。なんという興奮!なんという感動!やっとここまで来たんだ!そして向かうんだ!南極に!!

 

さあ、冒険の始まりです!!(≧▽≦)

 

 

 

――そして船は、世界一荒れるという魔の海峡、「ドレーク海峡」へと進みます――。

 

 

その14へ続く。