よりもい聖地巡礼(南極)

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ウシュアイアからドレーク海峡を抜けて南極圏に突入し、いよいよ南極上陸が迫ってきました。

ここで大切な大切な、南極観光のルールをご説明しましょう。

 

南極上陸の説明会

南極クルーズでは、南極観光に必要なレクチャーが開催されます。これが実に厳格でして、このレクチャーを受講しないと南極に上陸できないほどです。

そう、南極という世界を守るためには、我々一人一人がルールに沿って活動する必要があるのです。その中のルールを、いくつかご紹介しましょう!

 

何も持ち込まない

南極の環境を保護するため、何物も持ち込んではいけません。ゴミを捨てるだなんてもっての外。トイレも船に戻ってしましょう!ツアー説明では

「トイレが不安だったら、大人用おむつをしておくのも手です」

という案内があったけど、別の意味で不安になるわ!まあそれぐらい気をつけましょう、ということです!

ゴミはもちろん、動植物や、種子も持ち込んではいけません。そのため、南極で着るアウターは、事前に掃除機をかけて、隙間に潜んでいるかもしれない種子を掃除します。マジックテープ部分が危ないみたいだよ!念入りに掃除しようね!

リュックを掃除しているシーン

また、上陸時は消毒液のプールを歩き、靴裏に付着しているかもしれない菌を殺菌するという念の入れよう。

靴底を消毒するシーン

さらにさらに、上陸時の服装として、 風で飛びやすいマスクはNGでした。首まわりは、風で飛びにくいネックウォーマーで守りましょう。また同様の理由で、ティッシュもNGです。ハンカチを使うよう指導されます。

 

何も持ち出さない

持ち込まないとともに、何も持ち出してはいけません。ペンギンなどの動物はもちろん、石や植物もNGです。

帰ってきてから、知人に

「ペンギン持って帰ってきた?」

と冗談で言われましたが、そういうことをすると信じられないぐらい怒られるからね!絶対にしちゃ駄目だからね!

何も持ち込まない・何も持ち出さない、を称して

「とっていいのは写真だけ、持ち帰っていいのは思い出だけ」

と言うそうです。よりもいでは、「唯一持ち帰っていいのは氷だけ」という発言がありますが、基本的には エクスペディションチーム(ガイド) の言うことに従うのが前提となります!

 

動物には近づかない

動物は、持って帰るどころか、近づくだけでもNGです。

ペンギンからは5m以上離れること、オットセイからは15m以上離れること……といろんなルールがあります。が、覚えきれるものでもないので、ガイドがあらかじめ歩行できるルートを設定してくれます。我々観光客は、その上を歩くようにすれば基本的には大丈夫です。

こちらからペンギンに近づくのは禁止ですが、向こうから近づいてくる分には仕方がない、そうです。その場合は立ち止まってペンギンが去るのを待つことになります。極力、動物に干渉しないことが求められている!!

宇宙よりも遠い場所 STAGE10

 

同時上陸数は100人以下

南極大陸には港がないので、ゾディアックというゴムボートで接岸・上陸します。

ちなみに南極では、1箇所で最大100人しか上陸できない、というルールがあります。したがって、南極クルーズ船は互いに連絡を取り合い、船同士で上陸地が重ならないように調整します。

一隻に100人以上の観光客がいる場合は、複数チームに分割し、Aチームが上陸している時間帯は、Bチームはゾディアックボートで湾岸を周遊、Cチームはクルーズ船で待機……というようにして、100人以上が上陸しないようにします。

ゆえに、参加人数が多い南極クルーズは、上陸回数や上陸時間が減ってしまうそうですよ!そのかわり、船が大きくなるためドレーク海峡の揺れが小さくなるそうです。痛し痒しだね!

このように、南極観光にはいろんなルールがありますが、貴重な自然を守るために必要なものです。しっかり守っていこうね!

 

……という感じのレクチャーを受けつつ船は航行し、ついに船から数日ぶりの大地が見えてきました!南極の大地です!!

いよいよ!

やっと!

上陸です!!(≧▽≦)

 

 

その17へ続く。

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諸君らに問おう。

 

「南極」とは何か?

 

  

南極とは?

「南極」「南極圏」については、実はさまざまな定義・考え方が存在します。Wikipedia様の記載を見ても、

・夏に白夜になる高緯度地域。南緯66度33分より南。

・南極大陸と南極海をおおまかに指す。

・南極大陸を取り巻くように流れる南極海流の北限である南極収束線以南。

・南極条約では、南緯60度以南。

Wikipedia「南極圏」

…と、いろんな解釈があるわけです。

 

実際、クルーズ船がドレーク海峡を通過している最中、船内放送が入りました。

放送:「南極にはさまざまな定義があります。その定義の中の一つ、『南極収束線』を、本船はただいま通過しました」

南極収束線は、冷たい南極の海水のうち偏西風によって北向きに輸送される海水と亜南極の比較的暖かい海水が出会って混ざる所(潮境)である。

Wikipedia「南極収束線」

 

そうです!

2019年1月28日、17時40分!

ついに我々は、南極収束線を通過したのです!!!

 

 

 

あっハイ

 

特に感動はないわけです。「南極収束線……うん、そういうのもあるのね、うん」ぐらいの印象しかない。

このように、BLのカップリングでも解釈違いで戦争が起きかねない昨今。「問おう。お前の南極とは何だ?」という質問は、あなたが私のマスターかどうかと同じぐらい重要な問いかけになります。

何をもって「南極に来た」と実感するかは、人それぞれですが、かくいうワタナベは、何をもって南極を実感したか。

 

氷山でした。

 

「よりもい」と氷山

よりもい」でも、最初の氷山に遭遇するシーンが描かれています。

宇宙よりも遠い場所 STAGE8

 

ドレーク海峡の洗礼を乗り越え、本当の意味で「船に乗れた」4人を出迎える、最初の氷山。

 

宇宙よりも遠い場所 STAGE8

 

「そのとき確信した!この氷の向こうに、本当に南極があるんだ!」と実感するキマリたち。BGMに流れる「One Step」。

この時点を境に「日常とは別の世界…南極に入る」ことが明示される、とても印象深いシーンでもあります。

私もこの場面は鮮明に覚えており、「きっと氷山を見たら感動するんだろうなぁ、南極を実感するんだろうなぁ」と思っておりました。

そんな私が、ようやく最初の氷山に遭遇します。

 

第一氷山発見!

船内放送「みなさんご注目ください。本船の前方に、氷山が見えました。本クルーズで最初の氷山となります」

やった!ついに氷山が来たー!(≧▽≦)

慌ててベランダに出ると、前方、曇り空の下、吹雪の向こう側に、

おおおおお

おおおおおおおおお

おおおおおおおおおおお!

すげー!!なんだこれ?!すさまじい非現実感!異世界から迷い込んだような存在感!すごーい!すごーい!!

IQが3になって「すごい」しか言えなくなった「なんきょくちほー」の我々に気を利かせて、船は氷山の周りをゆっくり一周します。さすがクルーズ船、こういう粋な計らいも見せてくれる!

 

圧巻。

海面からの高さ105m。見たことのない異質で巨大な物体が、大海原のなか、ぽつんと海面に浮かんでいるのです。そして、聞いたとおりの青さ!氷山ってこんなに青いのか!すごーい!!すごーい!!! すごーい!!!!!

 

日常では決して見ることのない景色を目にして、興奮とともに私は、このとき、やっと、実感したのです!

 

 

南極圏に入ったぞー!!!(≧▽≦)

 

 

その16へ続く。

よりもい聖地巡礼(南極)

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ウシュアイアを出港した、我らのペンギン饅頭号ことル・ボレアル号。

この期間の旅行日程表を見てみると、

二日間「終日クルージング」のみ。

ひたすら航行。まったく余白が眩しいぜ!

 

そして、南極へと向かうこの二日間こそ、悪名高き「ドレーク海峡」に挑む二日間でもあります。

 

ドレーク海峡とは?

ドレーク海峡。

そこは「世界で最も荒れる海」として有名な海峡。

 

海流は、地球の自転によって生まれています。一般的な海流は、大陸にぶつかることで勢いが弱まります。

宇宙よりも遠い場所 STAGE8

しかし南極のまわりは大陸がないため、海流が弱まらない!それによりドレーク海峡が大荒れの海となるわけです。

そのあまりの荒れっぷりから、「吠える40度、狂う50度、叫ぶ60度」と称される南極の海。「よりもい」でも恐怖の対象として、なにより南極の洗礼として描かれていたことはご存知でしょう。そう、船酔い!ぎぼちわるいです!

宇宙よりも遠い場所 STAGE8

 

キマリたちの乗っている砕氷船は、氷を砕きやすいように、船底が丸くなっています。だから、なおさら揺れやすい。南極観測隊の話だと、もっとも揺れたときで

「左に45度傾いて、そのあと右に45度傾く、を繰り返す」

んだそうです。スキーやスノボをやってる方なら分かりますよね。45度って壁だよ。

対して我々の乗っているクルーズ船の揺れは、そこまで酷くはない……と想定されます。砕氷船ほど船底も丸くはないし、揺れ防止のスタビライザーも装備していて、対策は施されている。

 

だけど、

それでも、

とんでもなく揺れるのがドレーク海峡。

 

この海峡の恐ろしさは、南極ツアーの説明会でも繰り返し、繰り返し言われてきました。

客:「ドレーク海峡は揺れる、って聞いたんですけど……」

添乗員「確かに揺れます。だけど、前回のツアーではね、みなさん『せっかくの食事がもったいない!』ってね、頑張っちゃって。7割ぐらいのお客さんは『気持ちわるいー』って言いながら、食事に来てましたよー(笑」

 

3割死んでるじゃねぇか。

 

すこぶる暗澹たる気持ちになるわ!普通、ツアー説明会って楽しいことばかり話すものじゃない?正直すぎない?まあ、とにかく揺れることはわかる!

そしてもっと怖いことに、どんなに気持ち悪くても、リタイアしたくても、逃げ場がない!船はどこでも揺れる!まわりは全部海!どんなに苦しくても気持ち悪くても、数日間揺れっぱなし!

 

南極クルーズの船酔い対策

もちろん我々とて、なんの準備もなくドレーク海峡に挑むつもりはありません。

まずは酔い止め薬!説明会では「アネロンが良い」と聞いたので同種のものを準備! ちゃんと往復分の数量を計算しようね!南極から帰ってこられなくなるよ!

 

……そして、キマリや報瀬たち女子高生には真似ができない、大人の我々だからできる、もう一つの対策。それは、

 

 

 

酒。

 

そう、作戦名「船に酔う前に酒に酔え作戦」であります!!前回の記事にもあったとおり、この船はアルコールが基本無料!ワインもビールもシャンパンも、24時間無料で飲める!供給量は充分!

しかもこの「船に酔う前に酒に酔え作戦」、世界の船乗り達にも広く知られている手法らしく。なんでも知人のロシア人船員が言ってたそうだから、間違いないね!ロシア人が酒で間違ったこと言うわけないもんね!

というわけで、致し方なく酔い止め薬を飲み、致し方なく酔い止め薬(酒)を飲み、万全の布陣で乗り込んだドレーク海峡!その結果は!!

 

 

ドレーク海峡冬景色

……あれ?

 

……あれあれ??

 

 

すこぶる穏やかなんですけど

 

そう、ドレーク海峡は、「普通は荒れている」「ひどい時は超荒れてる」のであって、四六時中悪天候なわけではありません。わずかながら荒れていない、平穏な時もあるんです。

 

その、平穏なとき、

捕まえちゃったー。

 

こんな穏やかなことはほとんどなくて、実際、復路のドレーク海峡はこんな感じでした。

動画を見ていただければ分かるんですけど、船の上下がすごい。船が、うねるうねる。体が浮く浮く。

先日の某世界ふしぎ発見で、「この船でワイングラスが倒れたことがない」って紹介されてました。確かに倒れる感じじゃないんですけど、うねるんですわ!!ゆーっくり、大きく、揺れるんですわ!ボッシュートされる勢いなんですわ!

 

これが「普通」。

復路のドレーク海峡では、プロの添乗員ですら11人中7名が倒れたそうです。レストランに来る人、どんどん減っていった。ツアー客に人狼がいるの?ってぐらい毎回減ってた。

 

しかしながら、それに比べて往路の穏やかといったら!

まさに「強運」「日頃の行い」「神に愛されし存在」といったナイスワードしか浮かばない!いやーまいったなー!!「ドレーク海峡で悶えるワタナベさん」を想像していた読者の期待に沿えなかったなー!なんかごめんなー!!

しかし、油断は禁物です。よりもいの4人も、船酔いの薬を切らしたがために、ひどい船酔いに苦しんだのです。私だってそうなるかもしれません。しっかり薬を飲まなければ!「薬」をね! 

 

 

 

ちなみにこのとき、月曜日の午前7時。

 

 

勝った!!!(何かに)

 

日本にいれば、月曜という憂鬱を抱えて、電車に揺られて出勤している時間帯です。今週の仕事を頭の中で組み立てながら、ため息まじりに次の週末を夢見ているころです。

 

しかしいま私は、クルーズ船で朝からフレンチを楽しみ、シャンパンを飲みながらフルーツをつまんで、穏やかな海を眺めている――。

 

 

 

(゚Д゚)勝った!!!!(何かに)

 

これを勝利と言わずに何が勝利か!私は間違いなく何かに勝ったのです!全日本サクセスランキングがあったら、あの瞬間だけは上位に食い込んでた。海軍本部に懸賞金かけられてた。ワンピースのOP主題歌、流れ始めてた。

そんなありったけの夢をかき集めたクルーズ船は、好天に恵まれすぎた結果、予定より早い速度で南極へと向かっていきました。

 

 

なお、ドレーク海峡は嵐がなかったその時、日本の嵐が大変なことになっていたと知ったのは後のことです。

 

 

そして船は順調に南へと進み、ついに、「南極」へと突入します――。

 

 

その15へ続く。