「客がクレジットカードの番号を打つとき、店員が端末から目を逸します。
店員が目を逸した先にも、クレジットカード端末を置いておきます。
さらに店員が目を逸した先に、さらにクレジットカード端末を置いておきます。
ということを繰り返し、店員の周囲360°を端末で覆う、そんなお店はどうですか」
「何売ってるのその店」
「客がクレジットカードの番号を打つとき、店員が端末から目を逸します。
店員が目を逸した先にも、クレジットカード端末を置いておきます。
さらに店員が目を逸した先に、さらにクレジットカード端末を置いておきます。
ということを繰り返し、店員の周囲360°を端末で覆う、そんなお店はどうですか」
「何売ってるのその店」
リモートワークになってから、会議はWeb会議になりました。
Web会議といえども「人前に出せる顔じゃないので……」と、頑なに音声のみで会議を続けていた我々ですが、会社から「たまには顔を出せ、それがコミュニケーションだ」という昭和な方針が押し付けられました。
余計なことを。
チームの全員がそう思ったわけですが、「だったらこんな会社辞めてやらぁ!」みたいな度胸もない我々、顔出し会議の留意点を話し合って、
とりあえず服を着よう
になったという、数日前の実話。
そう、これは寿司です。
小さいころ、飲み会のあった父親が、たまーにお土産でこの寿司を持ち帰ってくれました。おそらく飲み屋で持たされたんでしょうね。
すでに眠っていた私と弟も起きて、金魚に入ってる醤油をかけて、二人で食べたものです。夜中に起きてまで食べる寿司は、背徳的で、珍しくて、とても美味しくて。あの寿司はたまらなく美味しかったなぁ。
まだ父を、一人の人間ではなく「父親」としか見られなかった時代の話。
もう、あの寿司を食べることはできないんでしょうね――――。
(BGMに流れるGet Wild)