ここ数年でNo.1かもしれない傑作SF小説「なめらかな世界と、その敵」を紹介する
さあ諸君、とんでもない小説が世に出てしまったぞ。
今年1番、いや、ここ数年でNo.1じゃないかってぐらいに心掴まれた小説。
「なめらかな世界と、その敵」だ!
ことの始まりは、下記のツイートを目にしたこと。
もしソ連が超高度AIを発明してたら?から始まる歴史改変SFでタイトルが「シンギュラリティ・ソヴィエト」という何もかもズルい小説、冒頭4pからヤバくて満面の笑顔になれます pic.twitter.com/IDJ2C1Zfsp
— 溝口力丸 (@marumizog) 2019年8月1日
「ソ連が超高度AIを発明していたら?」
もうこの設定ひとつで完全に虜ですよ。そのままAmazonへぶっこんで本を予約。その時は単行本しか予約してませんでした。発売日、久しぶりに届いた紙の書籍。
表紙のアニメアニメしい萌え絵を、通勤電車で広げるのは躊躇したけど。これが一度読み始めたらもう止まらない!この本のせいで電車を何度乗り過ごしたことか!これはやべぇ作品が世に出たもんだぜ!!!
それじゃあ同志諸君に、収録されている短編を、ネタバレなしで少しだけ紹介するぜ!
なめらかな世界と、その敵
冒頭の一行を読んで
「あれ?私、頭おかしくなったかな?」
と思わせてくれる、表題にして最初の作品。最初のページをこんなに読み直したのは初めてだぜ!かつてないほどに想像力が疲弊する!
美亜羽へ送る拳銃
全体的に「伊藤計劃っぽい!」と思っていましたが、まさに伊藤計劃の「ハーモニー」にトリビュートを捧げたという作品。脳をコントロールできる世界での愛情とは何か、を我々は問われているんだ!
シンギュラリティ・ソヴィエト
きたぜえええええ!最ッッッッッッ高だ!
ソヴィエト連邦の人工知能が、アメリカより先に「技術的特異点(シンギュラリティ)」を突破した世界。東と西のAIが覇権をめぐりせめぎ合う!共産主義を軸とした人工知能が織りなすディストピアを堪能せよ!!
ひかりより速く、ゆるやかに
シンギュラリティ・ソヴィエトを堪能し、満腹になった後にぶっこまれる極上ステーキ。未曾有の災害に巻き込まれた新幹線の乗客をめぐり、同級生が、親が、世界が動いていく。すべてをコンテンツとして消費する現代を皮肉りながら、こんなキレイな終わり方できるの?っていう、ラストにふさわしい名作!
この本の魅力を伝えたいけど、ネタバレできない私のもどかしさを感じてほしい!さあ諸君!ポチれ!めくれ!そして堪能せよ、10年代最後に羽ばたく天才の御業を!!!