ヤミ残業があるなら、ヤミ給料があってもいいじゃない(いいじゃない)
あとヤミ残業があるならば、世界のどこかにヒカリ残業もあるのでしょう。
雲の隙間から降り注ぐヒカリが地上を照らし、そのヒカリの中心に、選ばれし男が、机に座り、残業をしている……
いや本当に、ヤミ給料があってもいいじゃない(なぜかむくれた顔で)
ヤミ残業があるなら、ヤミ給料があってもいいじゃない(いいじゃない)
あとヤミ残業があるならば、世界のどこかにヒカリ残業もあるのでしょう。
雲の隙間から降り注ぐヒカリが地上を照らし、そのヒカリの中心に、選ばれし男が、机に座り、残業をしている……
いや本当に、ヤミ給料があってもいいじゃない(なぜかむくれた顔で)
「母が負ける」というタイトルの同人イラストがあって、見てみたら、母はウルトラの母だったときの気持ち、あなたにも届け☆
日高屋には人生が詰まっている。
吉野家、松屋、すき家の客層に比べて、日高屋には人生色の濃い客が多いと思っている。
老若男女、人生の濃淡にかかわらず、日高屋はすべてを受け入れてくれる。
そして私は、幸せを噛みしめるために日高屋へ向かう。
日高屋のカウンターブースに座り、注文タッチパッドを小気味よく操作していく。
今日の食事はW餃子定食に生ビール。
W餃子定食は、餃子12個にご飯とスープ、さらに唐揚げorキムチがついて600円台。
これに生ビールをつけても1000円でおつりがくる。
1000円でカバーできる幸せが駅前にある。
私を勇気づける幸せである。
届いたW餃子定食をビールで流し込んでいると、横のブースに一人の若い女性が座った。
日高屋で、若い女性に遭遇するとは珍しい。だが女性が食事に来ることぐらいはあるだろう。
だって、日高屋はすべてを受け入れてくれるから。
女性はタッチパネルを操作し、すぐに届いた生ビールを飲み始めた。
なるほど。女性でも、日高屋でビールを飲みたい夜があるのだろう。
仕事のストレス、交友関係のわずらわしさ。抱えている重荷は男女を問わない。
ブースを区切る半透明のアクリルが我々を隔てているが、同じ日高友(ヒダカメイト)として我々は仲間だ。
貴女の重荷が、少しでも生ビールに溶けてくれるように……そう願いつつ、心の中でグラスを合わせる。
女性は、ゆっくりと長い時間、ビールを味わっている。
私はW餃子定食をすっかり平らげ、ビールを飲み干した。
それでも女性はビールだけを飲んでいる。
え、注文したのビールだけ????
衝撃で酔いが覚める。貴女、そんなストロングスタイルの注文したの??
いや、私も定食屋でビールを注文したことはあるが、食事、もしくはツマミと一緒だ。
ビール単品で、ビールのみで、注文したことなんてないぞ…?
急に背筋が伸びるのを感じる。日高友なんて言っていたがとんでもない。むしろ私の先輩ではないか。
先輩、失礼しました……!
あんたカッコいいよ……!この私がマネできないことをやってのけたよ……!
女性、しばらーくビールを飲み、ふと何かに気づき、タッチパネルを操作し始めた。
すると、その後、W餃子定食が届いた。ただの注文し忘れだったね。