いつまでも少年の心を失っていないから、
「ポンチ絵」
で未だにちょっと反応するし。
いつまでも少年の心を失っていないから、
「ポンチ絵」
で未だにちょっと反応するし。
さいたま国際芸術祭2023に行ってきました。
さいたま国際芸術祭のことをまったく知らなかったのですが、Twitterで「SCP好きには刺さる」という感想があり、その情報だけを頼みに大宮まで特攻してきました。人生、勢いだけがすべてだぜ!!
……と、いうわけで、ここからは展示物の話になります。が、
これからさいたま国際芸術祭2023に行く人は、絶対に読まないほうがいいです。
前提知識がない方が楽しめると思います!読まない方がいいよ!
12月10日までやってるからな!行く人は見るなよ!いいな!忠告したぞ!!
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
というわけで入場です。
会場の「旧市民会館おおみや」は取り壊し予定だそうで、内部もいたるところで工事をしています。
展示をしている部屋も、まだ設営中?みたいな箇所もあり。
いろいろ展示を見てみたんですが、正直、よくわからない。
開館中にもかかわらず、工事業者っぽい人が作業しているので、これは、「だんだんと完成してくモノを少しずつ見せる」的な展示なのかな?
と思っていたわけです。
工事業者の人、複数のスイッチや計器が乗ったパネルを机に乗せて、廊下の隅で、スイッチを入れたり切ったり、ドライバーで調整したりしています。
……あの人、何をやってるんだろう?
そもそも計器をいじるにせよ、電源もケーブルも繋がずに何かを操作できるわけがありません。難しい顔でいろいろいじってるけど、何も意味がな
これ、こういう展示なんだ
ガンッと衝撃を受けましたね。こんなに急に、自然に、何の前情報もなくイベントをやるものなの?そもそもこの人は、何をしているの?
業者の人、しばらくスイッチをいじった後、計器を置いたままどこかに行ってしまいました。
……これ、私が触っていいのかな……?
おっかなびっくりスイッチを入れたり切ったりしましたが、パチンパチンと音がするばかりで、当然なにも変化はありません。何??これは一体何を表現してるの??
首をひねりながら階段を降りると、ガラスを隔てた屋外で、作業着を来た人が建物を見上げながらスマホで何やら会話をしています。建物解体の打ち合わせでもしてるのでしょうか。
今日、祝日だよな?
祝日に工事業者が作業する??
って気付いてうわぁ!あの人もキャストだ!嘘でしょ!?と衝撃を受けるわけです。すごい!スマホで何を話してるんだろ!?聞きたい!?いや、そもそも声を聞いていいの?追っかけてみるべき?
慌てて外に出て裏手に回りますが、工事業者の人を見失ってしまいます。裏手では、イベントのスタッフっぽい人が、休憩中なのか、立ったままスマホをずーっといじっていました。
裏手をさらに探してみると、
謎の店があるんですよ。
メニュー表を見ると、
まったく商品のイメージができない!
残念ながらお店は営業時間外だったんですが、営業してたら何か買いたかった!
「木材 ※1カット無料」
って何なの?欲しいんだけど!?
と、メニューを見てワフワフしてて、ふと、
(あれ?さっきの休憩してたスタッフの人、立ち入り禁止の場所で休憩してなかったか??)
と気付いてうわぁ!と振り返ると、
スマホをいじったまま、どんどん外を歩いていくんですよ。
えー!あの人もキャスト!?もう訳がわからないよ!!
で、しばらくすると片手にコーヒーを持って戻ってきました。
そう、いままでイマーシブルシアターの類を見たことはありますが、たいていの場合、キャストは「私はキャストです!」という目立つ服を着て、
「さあ、いまから3階でイベントやりますよー!」
といった体で廊下を練り歩き、観客を引き連れてくイメージだったんですよ。
ところがこのイベントのキャスト、あまりにも自然に行動するから、まるで目立たない!だけど、明らかに現実から浮いている。SCP!これはSCPのオブジェクトですよ!異常存在!
で、キャストが目立たないので、どうなるかというと、あらゆる人がキャストに見えてくる。
あの公園で遊んでいる家族は、本当に家族なのか?駐車場で車を誘導する人は本当に誘導員?いま横にいる人は私と同じ客なのか?本当に?
この人はここで何をしているの?
この絵を書いているおじいさん、このひとはキャスト?一般人?
――どんどん現実と虚構の境目がわからなくなってくるんですよ。そうすると、あらゆるモノが展示物に見えてくる。
この自転車はもとからここにあったのか、それとも展示なのか。
この意味ありげに置かれたフロアワイパーは何?置き忘れ?展示?
どんどん現実と展示が曖昧になってくる。
会場に砂が積もっているところがあったんですが、
……これは展示なのか?触っていいのか?
「展示物には手を触れるな」という注意書きがあるんですが、そもそもどれが展示物かわからない。
そして、砂山から、わずかに青い何かが見えている。何かが埋まっている?
勇気を出して砂山を掘り起こしてみると、
中から青いマッキーとどんぐり、軍手が出てきました。
だから何なんだ、って話なんですよ。これは何か意味があるの?それとも意味がないの?そもそもこれは展示だったの?そういう説明は一切ない。
余談ですが、この砂の横にベンチがあって、そこでずっとパンを食べていた女性がいました。
あまりにも普通にランチしていて、一般人かキャストかわからなかったけど、そういえば、会場は一部をのぞいて飲食禁止じゃなかったか?でも屋外だから「会場」ではないのか?どうみても近所の人っぽかったけどなー?!どっちなんだー!?区別ができないー!
他にも、どうやっても置けない場所に、コーヒーカップが置いてあったんです。
このコーヒーカップ、さっきスマホいじりながら休憩してたキャストが、戻るときに持ってたのと同じだ
だから何なんだ、って話なんですよ。意味があるのかどうかわからない。意図もわからない。背後で何かが繋がっているような気もするし、思わせぶりなだけで何もないのかもしれない。わからない。何もわからない。
ずーっと水が流れているこの洗面台は何?
横にギザギザのコップが吊るされていたけど、これは何?
至るところに置かれているほうき(ブラシ)は何?ただの残置物?
現実と虚構のあいだに迷い込んだ気持ちになり、どんどん境目がわからなくなります。
「SCP好きには刺さる」を実感できたイベントでした。
ちなみに、あなたは現実?キャスト?もうわからない