ball03wls.gif (1536 バイト)5.Web投げ銭とサイトの面白さball03wls.gif (1536 バイト)


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 Web投げ銭に関して、1通のメールを頂きました。

 「一部の大手サイトは儲かるだろうが、そうでない中小サイトははっきりと金額が見えるだけに逆にやる気をなくすのではないか」

 正直、人からお金を貰っておいてやる気をなくすってのも贅沢な話だと思います。それに、人から投げ銭を貰うということは、すなわち人の評価を受け入れることです。大道芸人が自分の前に帽子を置く。それは「自分が行った芸について金銭的評価を受ける」ことに他なりません。拍手は誰でも受けられます。でも、お金はそうはいかない。

 自分の評価を受け入れるのが怖いのなら、帽子を置かないことをお勧めします。

 

 …ですが、確かにWeb投げ銭によって、大手サイトが中小サイトより多額のお金を得ることは容易に想像できます。そこで今回は、「Web投げ銭で頂く金額とサイトの面白さ」について考えてみました。

 

rpin01s.gif (1254 バイト)5-1 アクセス数とサイトの面白さ

 古来から何回も何回も何回も何回も言われているように、アクセス数とサイトの面白さは完全には比例しません。理由はこれまた沢山挙げられておりますが、私は大きく二つあると思います。

 (1)アクセス数とは、コンテンツを見る「前」の値である

 閲覧者はリンクやブックマークをクリックすることで、そのサイトにアクセスします。その時点でアクセスカウンタは閲覧者が来たことを刻みます。その後、閲覧者はサイトのコンテンツを見ます。

 当然のことですが、人はサイトにアクセスしてからコンテンツを見るのです。まったく更新してなくてもアクセス数が増えるのは、アクセスしなければ更新したかどうかも分からないからです。従って閲覧者がそのコンテンツに満足したかどうかはアクセス数では計ることができません。

 (2)アクセス数は(ほぼ)無限である 

 あるサイトAが好きで、毎日閲覧しているとしましょう。ある日、あなたは別のサイトBの面白さに気がつきます。すると貴方は、サイトAとサイトB、両方を閲覧するようになるでしょう。時間の許すかぎり、閲覧するサイトはいくらでも増やせます。また、俗に言う「ネガティブアクセス」が簡単に発生するのもこのためです。

 

rpin01s.gif (1254 バイト)5-2 Web投げ銭とサイトの面白さ

 ではWeb投げ銭を用いることで、サイトの面白さを計れないでしょうか。アクセス数とWeb投げ銭の違いを考えてみましょう。

 (1)Web投げ銭で得たお金は、コンテンツを見た「後」の値である

 以前から言っているとおり、Web投げ銭はサイトのコンテンツを見た「後」に判断してお金を送るシステムです。これはアクセス数に比べ、よりコンテンツの内容に踏み込んだ値となると思われます。コンテンツの更新が行なわれなければ、アクセス数は増えたとしても投げ銭の金額は増えないでしょう。

 (2)お金は有限である 

 あるテレビAがあって、それを買おうと店へ向かいます。ですがお店に行ったら、もっといい性能で同じ金額のテレビBがありました。あなたはどうしますか?テレビAとテレビB、両方買う人はいないでしょう。なぜならお金は有限だからです。

 Web投げ銭も同じです。サイトAより面白いサイトBがあったら、サイトAへの投げ銭を取りやめてサイトBへ投げ銭するでしょう。つまり、閲覧者はより厳しい目でそれぞれのサイトを判断するようになるのです。果たしてこのコンテンツは投げ銭する価値があるのか?冒頭でも書きましたとおり、Web投げ銭を受け付ける人は、閲覧者の評価を受け入れることになるのです。

 

rpin01s.gif (1254 バイト)5-3 サイトの面白さ指数」を提案 

 とはいえ、このままでは中小サイトが大手サイトに比べて金額的に不利なのは否めません。大道芸に例えると、大手サイトは日曜日の歩行者天国で芸を見せているわけです。つまり沢山の人に芸を見てもらえる。中小サイトは一本裏通りの、ちょっと人の少ない道で芸を見せている、といったところでしょうか。たしかに裏通りでも優秀な芸をもった大道芸人は沢山います。だけど、表通りで芸を見せている大道芸人に比べて投げ銭の金額が少ない。

 そこで私は、そのハンデを多少なりとも補正できる指数を考えました。

 

 指数A = 1か月間でもらった投げ銭の総額 ÷ 1か月の総アクセス数

 指数B = 1か月間で投げ銭してくれた人数 ÷ 1か月間の総アクセス数

 

 如何でしょうか。指数Aはそのサイト閲覧者一人当たりが支払った金額。指数Bはそのサイトの閲覧者がWeb投げ銭を実行する確率。これにより閲覧者の満足度に近い数字が出るのではないでしょうか。

 もちろん厳密に考えれば、学生向けのサイトは社会人向けのサイトに比べて指数が下がるでしょう。またアクセス数が低いサイトは、値が不安定になることも予想できます。ですが、自分のサイトの面白さを確かめる1つの手段にはなると思いませんか?

 また、この指数を高めることを目標とすると、現在巷に溢れている「自サイトの宣伝」は致命傷になりかねません。内容の伴わないサイトの宣伝は、アクセス数は増えるものの投げ銭の量は増えず、結果として指数A・指数Bが極度に低下してしまうことでしょう。

 各サイト管理人が指数を公表するかは別として、たとえアクセス数が低く、Web投げ銭の総額が少ない中小サイトでも、指数が高ければそれは誇りをもっていいのではないでしょうか。指数の高いサイトは、放っておいてもやがて日曜日の歩行者天国で芸ができるようになるでしょう。また、そうなるべきだと思っています。

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