4-1
Web投げ銭の定義(閲覧者) (※これは「ろじっくぱらだいす」が提唱する投げ銭の定義です。)
ではWeb投げ銭を正確に定義してみましょう。基本は「大道芸人に投げ銭をする感覚」だと思います。結論から言いますと、 閲覧者は、現在まで見たコンテンツに対して投げ銭をする ということです。言いかえると「将来のコンテンツに対しては投げ銭をしない」ということです。3−3をもう一度見ていただくと分かるように、閲覧者が「投げ銭をすることで将来何かが変わる・何かが得られる」との考えで投げ銭を行うと問題が発生します。 もう一度大道芸人を例に取ります。閲覧者は大道芸人の前に立ち、見た芸に対して投げ銭をします。その大道芸人が今日限り芸を止めたとしても、お金を返せなんて言いません。閲覧者は「さっきまで見た芸」に対して投げ銭をしたからです。 サイト管理人への投げ銭も同じ考えです。閲覧者はサイトのコンテンツを見ます。そしてその時点のコンテンツに対して投げ銭をしてください。将来のコンテンツなど、投げ銭をすることで得られる利益を期待して投げ銭をしないでください。「その時コンテンツを見た」ことに対して投げ銭をしてもらえれば、次の日そのコンテンツが削除されようが、そのサイトの方向性が変わろうが、サイト自体が閉鎖しようが「お金を返せ」なんて言えないはずです。
お分かりいただけますでしょうか。正しくない投げ銭の例は、将来のコンテンツに期待して投げ銭しているのです。これはサイト管理人にとって「義務」「責任」となり、ひいては投げ銭をしてもらうことが重荷となってしまうかもしれません。それでは良質コンテンツの維持という目的が果たせません。 もう一度言います。閲覧者は将来のコンテンツに期待して投げ銭してはいけません。今あるコンテンツを見たことに対して投げ銭をしてください。
4-2 Web投げ銭の定義(サイト管理人) 次に投げ銭を受ける人、サイト管理人の考え方を提唱します。結論から申しますと、 管理人は、投げ銭をした人としなかった人を区別しない ということです。「投げ銭してくれた人から優先してお礼のメールを出します」「投げ銭してくれた人には、秘密ページのアドレスを教えます」などをしてはいけません。これを行うと、閲覧者は投げ銭をすることで何かが得られると思ってしまいます。 何回でも言います。大道芸人は芸を見せて、それに対して投げ銭を受け取ります。「明日この場所でまた芸をやるから、前のほうに座りたかったらお金を頂戴」などと口が裂けても言わないでしょう。 芸を見せる→投げ銭を受け取る であって、 投げ銭を受け取る → 芸をする ではないのです。
今後、小額決済のシステムが普及したら、個人サイトでも有料コンテンツを作る人が増えるかもしれません。そのこと自体は否定しません。また有料コンテンツの決済方式に、今回紹介した様々なシステムを使うこともあるでしょう。ですが、その場合は「有料コンテンツ」などとし、「Web投げ銭」とは明確に違う表記をしていただきたいと思います。 「閲覧者は今あるコンテンツに対して投げ銭をする」「管理人は投げ銭した人も、しなかった人も平等に扱う」をまとめると、 投げ銭で生じる義務も権利もない となります。 閲覧者: ・投げ銭する義務はない(閲覧者は無料で全てのコンテンツが楽しめる) ・投げ銭で生じる権利はない(閲覧者は投げ銭することで得られるメリットはない) 管理者: ・投げ銭を貰うことで義務は生じない(投げ銭が負担になることはない) ・投げ銭で権利を作らない(投げ銭する人としない人を平等に扱う) ということです。
(※繰り返しますが、これは「ろじっくぱらだいす」が提唱する投げ銭の定義です。他のサイトが有料コンテンツの支払いを「投げ銭」と命名していても、文句とか言わないでください。)
4-2 Web投げ銭と他システムの違い インターネットではWeb投げ銭に類似したシステムがいくつもあります。それらとの違いを明確にしておきます。 (1)インターネット乞食とWeb投げ銭との違い ホームページに銀行口座を掲載し、「ここへお金を恵んでください」と表記するインターネット乞食があります。これは閲覧者がコンテンツに対してお金を出していないことがWeb投げ銭とは違います。 (2)ネット募金・ネットカンパとWeb投げ銭との違い ネット募金もまた、募金する人は募金される人のコンテンツに対して投げ銭をしていません。また、カンパはカンパすることで起こる何かに対してお金を出しています。これがWeb投げ銭とは違います。 (3)有料コンテンツとWeb投げ銭との違い 先ほども説明しましたが、有料コンテンツはお金を出すことで得られるコンテンツや権利に対してお金を支払います。 お金を出す→コンテンツを得られる という有料コンテンツの考えは、 コンテンツを見る→お金を出す という投げ銭の考え方と異なります。
4-3 今後の予定 いかがでしょうか。各種システムを吟味し、起こりうる問題に対して自分なりの答え・対策を導いてみました。しっかりとWeb投げ銭の考え方を詰めておけば、現状でもWeb投げ銭は充分に可能であると考えます。 そして、今年の10月には日本版PAYPALが始まる予定です。 確かに心配しすぎかもしれません。ですが私は、日本版PAYPALが個人サイト界へ嵐をもたらすと考えています。投げ銭を受け取るつもりがなくても、投げ銭に対する知識やノウハウがなくても、自分のメールアドレスにお金が投げ込まれることになるのです。予備知識がなかったら、相当混乱するのではないでしょうか。 しかし、そういったサービスが今後実現すること、それに対する一つの考え方があることをここで紹介させていただきました。数か月後に来るかどうか分からない台風に備えろとはいいません。ですが、台風が来るかもしれないこと、またその時に家を守る道具がどこにあるのかを知っておくことは決して損にはならないと思います。大丈夫。まだ時間はありますから。
なお、ろじっくぱらだいすは近々、実際に「Web投げ銭」を実現してみるつもりです。Web投げ銭を受け取るためのノウハウ(口座の作り方、受け取り方)から、Web投げ銭をするためのノウハウ(振り込み方法等)まで説明したページを作り、それを無償で公開する予定です。そしてそのページへのリンクはもちろん、持ちかえったり自分のページ用にカスタマイズすることも許可し、個人サイトが投げ銭を受け取る環境を提唱したいと思っております。すべてはサイト管理人へのモチベーションの増加(と私自身のお金)のために。 願わくばこの考えが、個人サイトに福音をもたらすことを。良質コンテンツが増加することを切に願っております。
ろじっくぱらだいす ワタナベ
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